07.6 Tritone をわかってなかった
Tritone についてゴチャゴチャ書くので興味なければ飛ばしてください
Tritone をわかってなかったことに気がつきました。丁度前の前のページで Harmonic minor の Tension について書いていた時。超恥ずかしい話ですが、FM7 で使える Tension の ♯11th (B音) が Root の F音と Tritone であることに今頃気がつきました。言い訳をすると、Tritone ってどうしても 7th コードで出てくるという思い込みがあり、♯11th が Tritone を作るとは思ってもみませんでした。浅はかなお話。
そこで、また気がついたのが、コードを Root から初めて 13th まで書けば、Scale 音をすべて書き出しているので、コードが何であれ Tritone はどこかに入っている。そのどこかに必ずある Tritone を調べもせずコードトーンと Tension Note が作る Tritone はダメですと書いてました。
もう一つ思ったのが、C Major Scale の FM7 の ♯11th は取れる Tension になっている。Tritone なのになぜだろう? 言えることは、Tritone でも取れる (使える) Tritone がある。ではその切り分けはどうするんだろう?
これをここ 4〜5日考えていました。そしてなんとか答えらしきものを引き出した気になっています。
- Tritone は F音とB音で作る Tritone だけを考えれば良い。
- Tonic の Tritone は 使える Tension にはならない。
- SD・SDm の Tritone は 使える Tension になる。
共感してもらえるかどうか。
まず頭に置いとかないといけないのは、Scale ごとに出来る Tritone が違うことです。
- C Major Scale : F音と B音
- C Natural minor Scale : D音とA♭音
- C Harmonic minor Scale : F音とB音。もう一つ D音と A♭音。
- C Melodic minor Scale : F音とB音。もう一つ E♭音とA音。
つまり C Major と C minor は Tritone が 1組しかありませんが、 CHm と CMm では 2組出来ます。
各 Scale の Diatonic Chord 表を作りました。
まず、上の表からChord Tone と Tension Note で Tritone を作らないコードを 消します。この対象には、Chord Tone だけで Tritone を作っている C Major Scale の G7 とか、Tension だけで Tritone を作っている Am7 とかを含みます。
別の言い方をすると、使える Tension かどうか考えるに当たり対象外になる (関係ない)コードをバツ印で消します。
今度は、残ったコードの内、Tension Note がコードトーンと Natural 9th にならないコードを更に消します。Natural 9th ではない Tension は所詮使える Tension ではないからです。「7th コードは Altered Tension も取れる」。おっしゃる通りですが、7th は Chord Tone の中に Tritone を持っているので既に上で除外してあります。
残ったコードは Chord Tone と Tension Note で Tritone を作っていて且つ Chord Tone と Natural 9th という使える Tension の要件も満たしています。Tonic minor と SD と SDm のコードが残りました。使えるのかどうか見ていきます。
✔️ CHm の CmM7 です。
9th の D音と ♭13th の A♭音も Tritone を構成しますが、Tension 同士なので無視します。それ以前に A♭音は 5th と♭9th だし。M7th の B音と 11th の F音が Tritone で、11th を Tritone 故の Avoid Note にしています。「07.4 Harmonic minor Chord の構造、機能と Tension」でも書きましたが、Root の C音で Tonic minor だとは明白なんですが、B音と F音で Tritone が出来るとどうしても Dominant 感が強く出てしまいます。 C音を省略すると、5th をルートにした G7 (♭13) と Dominant 7th ど真ん中になります。11th は Tension Note にはならないでしょう。
✔️ CHm の E♭+M7 です。
M7th の D音と 11th の A♭音も Tritone ですが、11th は 3rd と ♭9th なので、所詮 Tension 足り得ない。残る Tension は B音 (+5) と F音 (9th) ですが、CmM7 と同じで Dominant 感が強く出ます。9th を認めると、出来るコードは G7 (♭13)。9th は Tension にはならないと思います。
✔️ CMm の CmM7 です。
11th は上で書いた理由と同じで、Tension にはなれません。一方 13th は使える Tension です。理由は Cm6 という Cm Triad に A 音が乗っかったコードがあり、6th をルートにすると Am7 (♭5) という CMm Scale の Tm になるので、A音が入っても Tm という機能にブレが生じないためです。
✔️ CMm の E♭+M7 です。
+5th と 9th の Tritone は CHm の E♭+M7 と同じ理由でダメです。E♭音 (Root) と A音 (♯11th) は上と同じく、CMm Scale の 6番目のコードである Am7 (♭5) (機能は Tonic) が持っている Tritone と同じなので、Okay です。
✔️ C Major Scale の FM7 と CMm の F7
これは♯11th が理論上認められているので、Okay でしょう。聴いてください。Happy Birthday。著作権は切れています。🎤Happy Birthday Dear なんとかさんのなんとかのところがコードは FM7 で メロが B音です。
FM7 に乗る B音はおかしくないし、B音 ⇨ C音に解決しなくても違和感はないですよね。「これは 倚音という転移音で、Tension の扱いの中で考えるものではない」。良くご存知です。そのとおりです。では B音を引き伸ばしてみました。聴いてください。
おかしくないですよね。FM7 と F7 の ♯11thは Tritone を構成しても Tension になり得ます。
✔️ CNm Scale の Fm7 と A♭M7
この2つは、 A♭音 (Chord Tone) と D音 (Tension Note) が作る Tritone を持っています。CNm Scale で Tonic の Cm7 に解決するのは B音と F音の Tritone を持つG7 です。A♭音と D音の Tritone は Dominant 感を出していません。
✔️ C Major と CMm Scale の Dm7
「06.6 Tension Note」に書いた通り、Dm7 は Tritone を作る 13th を Tension として取れるとこのサイトは整理しています。
以上ですが、皆さんが感じていることは、「ゴチャゴチャ書いていてなんか Tension の説明がクリアーではない」。はいそのとおりです。そう自覚しています。ということで、以下アクションします。
- 次のページで Tension のまとめ表を作ります。
- 今までのページを書き換えサイトとして整合性のあるものにします。⇨ したつもりです。
私なりの Tritone の整理でした
This page originally written on 2021.02.03, revised on 2021.11.11
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