Ex-03. トルコ行進曲の余談

実は 17.1 でトルコ行進曲を取り上げた時から疑問に思うことがあってそれを解いてから書こうと思っていたんですが、全然解けません。解いていないのにこのサイトに書くのもなんなんですが、私の問題ではなくみんなの問題にしてしまおうという企みで敢えて書いておきます。本当に解けたと思ったら、このページを書き換えます。

青矢印の所 (17小節目) から Am Key が終わる25 小節目まで鳴らします。

青で囲ったコードが 2つあります。まずD♯dim7 ですが、これは疑問でも何でもありません。なぜ書いたかというと dim7 コードだからです。更に D – D♯dim7 – E7 とつながる絵に書いたような Passing Diminish。私は以前 Passing Dim は近代のものでクラシックでは出て来ないと無知ゆえに思っていました。今は和声楽を少し勉強して、減三和音 (Diminished Triad) とか 減7の和音 (Diminished 7th) とかクラシックでも使うコードだとわかりましたが、クラシックの譜面で Dim Chord、それも Passing Dim を見つけるとあの頃は無知だったと反省しきりになります。なので素通りできませんでした。

さて本題です。F7 です。これが疑問です。Key は Am です。Am の 6番目が F ですが、コードにすると FM7 です。F7 ではありません。F7 の 7th の音は E♭で Am Key では Non Diatonic 音 (調性外音) です。そうなると次に考えるのは 2次 Dominant ですが、F7 のP5 下は B♭で これも Non Diatonic。Am という minor Key なので Modal Interchange でもありません。

では裏コードか? F7 の裏は B7 です。B7 は P5 下に進むと B7 – Em7。Em7 は Diatonic Chord です。ただ、譜面は F7 – Am なので成立しません。 ではどう説明するんでしょう? 

一つは 11.5 その他のコード で出てきた A♭7 です。A♭7 は Cm Key の 6番目のコードです。Am Key の 6番目は F7 なので、この可能性はあります。だとすると、この F7 は FM7 が F7 に変化したもので機能は Subdominant。変化した理由は「Blues Feeling」。ただ、モーツアルトの時代に Blues はありませんから、Blues Feeling で変化した F7 は辻褄が合いません。

なので和声学から答えを見つけたいんですが、これが見つかりません。少なくとも芸大和声の3巻にちょっとだけ入ったところまでには出てきません。F7 と言えば和声学で言うドリアの IV が直感的にでてくるので一度はやったと思いましが、考えて見ると Cm Key での F7 なので Am Key では A♭7 になり単なる勘違いでした。

と言うことでトルコ行進曲の F7 は謎のままです。付き合わせてすいません。

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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