08.2 Major Key の二次 Dominant の Tension
二次 Dominant は名前そのまま Dominant 7th Chord なので全ての Altered Tension が取れます
まず Tension Note になれる要件です。
- Scale 音
- Chord Tone と 9th
- F音以外の Tritone 構成音
G7Dominant 7th のみ全ての Altered Tension
このサイトは全部 C を Root とした Scale で書いてます。今は Major Key における 二次 Dominant なので、Scale とは C Major Scale、つまりは白鍵だけです。二次 Dominant は調性外の (黒鍵が入った) コードですが、調性外のコードを使うことで曲に彩りを添えます。逆の言い方をすると、C Major Scale がしっかり本流として認識されているので、二次 Dominant が彩りと感じられる。なので、Tension 足り得るのは白鍵だけ。そのあと Dominant 7th は 全てのAltered Tension が取れるというもう一つの要件を適用します。
上は「G7 のみ全ての Altered Tension」 と書いてありましたが、二次 Dominant に来たので、G7 を Dominant 7th に書き換えます。二次 Dominant は各 Diatonic Chord を仮 Tonic に見立ててそこに進行する Dominant 7th です。
取れる Tension の押さえ方ですが、以下でやりたいと思います。
- まず鍵盤上で Chord Tone に青を置きます。
- 次に Chord Tone と Natural 9th で、且つ白鍵の Tension を赤で置きます。
- Altered Tension を黄緑で置きます。
これで完成です。鍵盤だけあれば五線譜はいらないと思うので、鍵盤だけ置きます。ごちゃごちゃするので、序数はやめます。
✔️ A7
Dm7 に進む A7 です。11th は 3rd と♭9th なのでダメです。13th は F♯音になり白鍵ではない (Scale 音ではない) のでダメです。
✔️ B7
Em7 に進む B7 です。9th と 13th は黒鍵 (Scale 音ではない)なのでダメです。11th は 3rd と♭9th になるのでダメです。このページは Dominant 7th を扱っているので、3rd と 11th の関係は常に♭9th です。全ての二次 Dominant に共通して 11th は取れません。
✔️ C7
FM7 に進む C7 です。見てのとおりです。7th Chord は 11th が取れないので、この C7 は 7th が取れる最大限の Available Tension を持ちます。
この C7 って二次 Dominant 感が薄いと感じません? 私見ですがその理由は、C7 の 7th を取って Triad の C にした時に、Diatonic の C と同じになるからです。「ちゃんと説明しろ」。はい。C7 以外の二次 Dominant は全てコードが 同じ Root の Diatonic Chord と比べると minor Chord から Major Chord に変わっています。例えば A7 ⇨ Dm7 ですが、A7 と同じ Root の Diatonic Chord は Am7 という minor Chord です。C7 以外は他もすべて同じです。C7 だけは、同じ Root の Diatonic が CM7。Major か minor かという大きな分かれ道で同じ道を行った C7 は他に比べて色合いの変化という意味では薄いと思います。
✔️ D7
G7 に進む D7 です。C7 と同じく、7th が取れる最大限の Available Tension を持ちます。クラシックの和声学では ドッペルドミナント (Doppeldominante=ダブルドミナント) という特別な名前をもらっています。G7 という Dominant Chord に向かう Dominant なので Doppeldominante。前にも書きましたが、和声学ではこの D7 が C Major Key で使われる場合は、Subdominant 扱いで、必ず G7 に進みます。確かに特別な名前をもらっているだけあって、すごくよく出て来ます。
✔️ E7
Am7 に進む E7 です。B7 と同じく赤 (Scale 音で Natural 9th) を置けません。E7 の Root の E音も B7 の Root の B音も右隣の白鍵とは半音です。このパターンだと、9th と 13th が黒鍵 (Scale 外音) になってしまって Tension 足り得ない。また 11th は 3rd と♭9th になるので 11th も Tension になれません。ただ、その分 Altered Tension がほとんど白鍵になります。
E7 ⇨ Am7 と言うと、C Major Key の Relative minor Key (平行短調) である A minor Key の Dominant Cadence です。C Major Key で登場すると、二次 Dominant なのか A minor Key への転調なのか分からなくなります。一度学校の先生に聴いたらはぐらかされました。この辺、芸大和声の III 巻に出ているようなので、ちゃんと勉強してわかったらこのサイトに書きます。チラッと見た限り、一時転調と言う扱いのようですが。
Natural Tension は白鍵でないと取れません。Key を支配している C Major Key からの制約です
This page originally written on 2021.02.17, revised on 2021.11.26
コメントを残す