09.2 Subdominant minor Chord の Tension
SDm Chord は Tension の良いとこ取りができるので安心して使えます
まず答えを出します。取れる Tension です。
D♭M7 | 9th | ♯11th | 13th |
Dm7 (♭5) | 9th | 11th | ♭13th |
Fm7 | 9th | 11th | 13th注 |
A♭M7 | 9th | ♯11th | 13th |
B♭7 | 9th | ♯11th | 13th |
注: 学校では Fm7 の13th は取れる Tension ではありませんでした。13th D音が Chord Tone の A♭音と Tritone を作ると言うのが理由です。
二次 Dominant の時に、Chord Tone 以外をどの Scale 音で埋めるか書きましたが覚えています? 二次 Dominant が向かう Diatonic Chord の Scale なのか、つまりは A7 – Dm7 なら D minor Key に一時転調したと見て DHm の Scale 音で埋めるのか、それとも Key は C Major なんだから C Major の Scale 音で埋めるのか。
同じ話が Subdominant minor Chord でもあります。SDm は CNm のコードなんだから CNm で埋める or 曲は C Major Key なんだから C Major の Scale 音で埋める。D♭M7 だけは Phrygian Mode なんだから、 C Phrygian or C Major。
答えはいいとこ取りです。Keyboard で見て行きましょう。その前にしつこくなりますが、
取れる Tension とは、
- Scale 音
- Chord Tone と 9th
- F音以外の Tritone 構成音
- Dominant 7th のみ全ての Altered Tension
✔️ D♭M7
例によって青が Chord Tone、赤が取れる Tension です。寄るべきは Phrygian Mode とするなら、9th は Scale 音です (正確には Mode 音)。C Major Scale だと黒鍵なんだから Scale 音ではありません。9th は Root と 9th なので (♭9th ではないので)C Phrygian Mode において Tension 足り得ます。♯11th は C Phrygian でも C Major でも OKay。13thは C Phrygian で Okay。
✔️ Dm7 (♭5)
9th は C Major Scale だと取れる Tension ですが、CNm だとScale 外音なので取れません。11th は両方の Scale で Okay。♭13th ですが、9th とは逆で C Major Scale だと取れず、 CNm Scale だと取れます。いいとこ取りなので、どちらも取れる Tension になります。13th は 取れません。 C Major の Scale 音ですが、♭5 と Natural 9th になりません (♯9th になる)。
✔️ Fm7
9th は C Major・CNm 両方で Okay。11th は CNm で Okay。13th ですが、C Major・CNm 両方で Scale 音なんですが、A♭と Tritone を作ります。ただし、F音以外の Tritone 構成音なので、このサイトでは取れる Tensionとします。学校では 9th, 11th だけと教えてもらいました。
✔️ A♭M7
9thは C Major Scale では取れませんが、CNm なら取れます。♯11th と 13th は両方で取れます。
✔️ B♭7
9th と 13th は C Major・CNm 両方 Okay ですが、♯11th は C Major のみ Okay です。7th と聞くと Altered Tension が取れるイメージがありますが、B♭7 は取れません。B♭7 の機能が SDm であって Dominant 7th ではないからです。
もう一つ。B♭7 が使われるのはやっぱり Fm7 – B♭7 – E♭M7 の進行が圧倒的に多いように思います。C Major の曲で Fm7 – B♭7 とくると サブドミマイナーだなと思いますが、その後に E♭M7 が出てくると、これは理論上は借用ではなく転調になります。Fm7・B♭7 とも C minor (CNm) のコードですが、C minor の平行長調 (Relative Major) が E♭になります。Fm7 – B♭7 – E♭M7 は E♭Major Key の II – V – I です。曲としてよければ借用でも転調でも関係ありませんが。
一つ例を出しておきます。杏里さんのオリビアを聴きながらです。尾崎亜美さんが作っただけあってコード進行がおしゃれです。00:43 で Aメロに入りますが、「オリビアは寂しい心を」が正にこの進行です。原曲 Key は G ですが、C に直すと Fm7 – B♭7 – E♭M7。
https://www.youtube.com/watch?v=RrW7KJXsOoA
個人的には♯11th の使用には注意が必要だと思っています。使ったときに曲の感じから乖離してしまうことがあります
This page originally written on 2021.03.07, revised on 2022.01.06
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