13. Chord Scale
違和感あります? 私は初めて学校の理論の授業で聞いたとき抵抗感を持ちました。Chord と言う単語に Scale をくっつけて Chord Scale とは何が言いたいんだと思いました。Chord は Chord で Scale は Scale じゃないかとも。
まず何者かですが、コードの Root から始まる Scale のことです。たとえば、CM7 なら C から始まる Ionian (Major Scale) 。これ当たり前と言ったらその通りなんですが、では Dm7 の Chord Scale はというと、D から始まる Scale になるので Dorian になります。まだピンと来ません? 確かに何でこんなものを持ち出すのか納得できないですよね。
Mark Levine の The Jazz Theory Book には、Chord Scale を使うようになった経緯が書かれています。初期の Jazz Player は Improvisation (アドリブ) をやるとき Chord で考えていた。たとえば Dm7 が鳴っているときには、D, F, A, C音 が使える。当たり前ですよね。コード構成音なんだから。その後1930年代に Tension を使うようになったが、そのときに Jazz Player の頭にあったのは 三度堆積の D, F, A, C, E, G, B。ただ、三度飛び飛びの音を頭に入れて Improvisation をやるよりそれを連続的な Scale にして頭に入れた方がやりやすい。それで 1950/1960 年代に Chord Scale が普及した。
正直私は Player ではないので上の説明はよくわかりません。ただ、Improvisation をやるときに、ここで使う音は (Chord Tone に加えて) 9th, 11th, 13th注 と考えるより Dorian の一言で済ませられるのは便利と言えば便利だとは想像できます。その代わりに Dorian だったら 9th, 11th, 13th が取れると覚える作業は必要になります。
注 : このサイトは Dm7 の取れる Tension を 9th, 11th, 13th としています。私のいた学校は 13th を Avoid としていました。
ここでしつこくなりますが、言っておかないといけないこと。Chord Scale と Mode は違うものなのでごちゃごちゃにしないでください。 Chord Scale も Mode もギリシアの場所や島の名前 (Dorian とか)なのでごっちゃになりやすい。「10.5 Modal Interchange Chord その 1」でも書きましたが、たとえば Dorian Mode で演奏するとは、Church Mode の一つである Dorian Mode で Dorian の特徴を出した演奏をすると言うことで、Chord Scale とは関係ありません。ただ、D Dorian Mode で演奏するときに 軸和音 (Axis) の Dm7 が取れる Chord Scale は Dorian です。ごっちゃになりやすいので分けて理解しておく必要があります。
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