13.7 裏コードの Chord Scale

裏コードは G7 の代わりになるコードのことです。代理 Dominant or 置換 Dominant or Substitute Dominant。G7 と同じ Tritone を持っている 7th Chord。5度圏で G7 のちょうど反対側にいる D♭7 のことです。思い出しました?

11.1 裏コード」で D♭7 の取れる Tension は 9th、♯11th、13th と書きました。この Tension が取れる Chord Scale は Lydian or Lydian ♭7 です。私は学校で Lydian♭7 だと習い、ネットや本を見ても Lydyain♭7 だと書いてあります。

D♭ Lydian♭7 です。

これおかしくありません?

疑問その1。D♭7 は G7 と言う Dominant 7th の代わりなんだから、全ての Altered Tension が取れるはず。

疑問その 2。C Major Key でメロを作るとき使うのは大体白鍵です。G7 の代わりになる D♭7 なんだから、♭満載の Chord Scale はおかしい。白鍵が使えないと気軽に使えない。C Major Scale 上にある Diatonic Chord は全て白鍵で、Tension も白鍵。黒鍵がでてくるのは Altered Tension。D♭で始まる Chord Scale はその逆で、Diatonic が黒鍵で、白鍵は Altered Tension。ということは Altered Tension が使える Chord Scale でないと曲には使えないと思うんですがどうでしょう?

そこで考えたのが、Chord Tone 以外は C Major Scale 音で埋めてしまうやり方。Modal Interchange Chord (借用和音) でやったのと同じやり方です。そうするとこうなります。

目一杯置いたので 8音 Scale になりました。全ての Altered Tension が入っていますが、問題は半音が 2つ続くことです。上の Scale は G音と A♭音が半音、それに続く A♭音と A音が半音です。これはちょっと Chord Scale としては認知できません。ただ、Altered Tension がいっぱいだと白鍵が増えることはわかります。

次に考えたのは D♭7 は 7th Chord なんだから G7 と同じ Chord Scale が取れないかということです。

「コード理論大全」も裏コードは Lyd♭7 と言いながら、「他のオルタードテンションを含むドミナント系スケールを使うのも非常に有効です」と書いています。つまりは G7 が取れる Chord Scale は D♭7 でも取れる可能性があると言っています。

Major Key の G7 が取れる Chord Scale を思い出して下さい。

  • Mixolydian (Mixo)
  • Lydian ♭7 (Lyd ♭7)
  • Phrygian ♯3 (Ph ♯3)
  • Altered (Alt)
  • Combination of Diminish (コンディミ、Com Dimi)

上の Chord Scale を D♭7 に当てはめて行きます。

✔️ Mixolydian

 D♭7 に G♭ Scale 音を足します。青字が Chord Tone で赤字が  G♭ Major Scale から持って来た音。❌は Avoid Note。なぜ G♭ なのかはわかりますか?。D♭7 は元々 G♭Major Key の V7 (5度 Seventh) なので。というか、Major Scale で 7th Chord は 5度 Seventh なので、その 5度下が Scale の Root になるという理屈です。

G♭は♭が6つもある面倒臭い Key です。5度圏 (Circle of 5th) の C の反対側。こちらは Chord Scale わかりますよね。Mixolydian です。なので、11th が Avoid Note になり、取れる Tension は 9th と 13th の 2つです。Lyd ♭7 以上の白鍵は取れません。

✔️ Lydian ♭7

上で書きました。Lydian ♭7 は Melodic minor の 4番目のコードから借用しているんですが、Mixo では 11th が Avoid になるので無理やり ♯11th にして Avoid をなくしたと言った方が実態かと思います。

✔️ Phrygian ♯3

白鍵としては  D音と A音が増えました。

✔️ Altered

ここからは、7th を♭を取って B音で書きます。そうするとこうなります。素晴らしい。Root 以外は全部白鍵になりました。

✔️ Combination of Diminish

これも全ての Altered Tension が入っています。これさっきこのページの一番上で見た Chord Scale とすごく似てますね。似ているんですが、半音の連続はありません。

今まで見てきたように D♭7 の全ての Altered Tension は白鍵です。つまりは C Major Scale 音。なので Lyd♭7 以外に G7 で取れる全ての Chord Scale が使えると言って良いと思っています。

私見ですが C Major Key 上の D♭7 が取れる Chord Scale は G7 と同じ

  • Mixolydian (Mixo)
  • Lydian ♭7 (Lyd ♭7)
  • Phrygian ♯3 (Ph ♯3)
  • Altered (Alt)
  • Combination of Diminish (コンディミ、Com Dimi)

さて、minor Key の場合はどうなるか? minor Key の所以たるのが E♭音と A♭音です。E音と A音が入っている Chord Scale は使えません。なので、これも私見ですが、Natural minor Key で使える Chord Scale は、

  • Mixolydian (Mixo)
  • Lydian ♭7 (Lyd ♭7)

話変わって「11.1 裏コード 」で「7th なんだから、少なくとも Altered Tension は全て取れるはずだと思うんですが、実際鳴らして見るととても取れる Tension には聴こえません」と書きましたが、今鳴らすと大丈夫に聴こえます。11.1 の書き込みは削除しようとも思ったんですが、しばらく両論並記のような格好で残そうと思います。

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です