11.4 ♯5 コード と♭5 コード
ここで書くのは Dominant 7th の ♯5 と♭5 です。G7 Chord だったり、二次 Dominant の 7th Chord だったりします。m7 の♭5 とかではありません。G7 の第3音の D音を半音上げると ♯5、半音下げると♭5 です。
こう書くと絶対にこう言われます。「♯5 は ♭13 のことだし、♭5 は ♯11th のこと」。つまりは ♯5、♭5 という言い方自体がおかしい。そのとおりです。このサイトで今まで書いて来た筋からすると、♭13th と ♯11th が正しい表記です。
ではなぜ敢えて ♯5 と♭5 を書くのか? 世の中でそういう言い方をすることがあること。これが一つ。もう一つは、G7 がベタすぎるときのベタから逃げるやり方として ♯ 5 と ♭5 があると私が思うからです。
コード付けをしていて G7 はベタだし、裏コードの D♭7 もうまくはまらないし、G7sus4 とか F/G もイマイチだしと思うことありません? 私はその場合やることは 5th を半音上げたり下げたりします。もちろんメロとの兼ね合いはありますが、うまくハマることがあります。♭13 を置いてみようとか ♯11th を足そうかとか Altered Tension で考えるよりも、G7(♯5) とか G7(♭5) の方が指も動かしやすいですよね。
歌本で探したら、G7(♭5) を見つけました。米津玄師さんの「感電」の2番始まってすぐの 01:50「ニャンニャンニャン」が C の Key にすると G7 (♭5) です。一瞬なのでちょっとわかりにくいかもしれません。それにしても原曲 Key は ♯が 5つもつく G♯ minor です。。
https://www.youtube.com/watch?v=UFQEttrn6CQ
今度は G7(♯5) の例です。また Bossa Nova ですいません。António Carlos Jobim の「Brigas nunca mais」です。原曲 B♭ですが、最初のコーラス最後のの小節がG7(♯5) です。0:35 に出てきます。歌詞の「as pazes Mas」の Mas が G7(♯ 5)です。Jobim は ♯5 好きでよく出て来ます。
https://www.youtube.com/watch?v=hYVwJkIsj7M
最後にもう皆さんお分かりと思いますが、G7(♯5), G7(♭5) とも 13th の E音は Tension になりません。♯5音、♭5音と Natural 9th にならないからです。
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