Ex-21 E7 → F に進行できる理屈わかります?
前のページでも書きましたが、C Major Key で E7 が出て来れば普通 E7 ⇨ Am7 と進みます。Am7 に向かう二次 Dominant の E7。Relative minor (平行短調) への一時転調だと見るならAm Key の V – I の動き。
ここまでは良いんですが、チョクチョク E7 – FM7 という進行が出てくるのが理論としての裏付けがあるのかずっとモヤモヤしていました。E7 が半音上の Major Chord に進行するのは理屈がないような気がしますが聴くと全然おかしくありません。
そのモヤモヤが解けました。ここ2年間芸大和声全3巻の I と II を何度も行ったり来たりしていましたが、ついに III に突入したところ、その答えがありました。
まず例を出します。Ex-07 でも書いた「君がいるだけで」です。原曲 Key は C です。この曲の Aメロ頭に E7 – FM7 が登場します。
https://www.youtube.com/watch?v=xGccMCNqTik
もう一つの例。「私がオバさんになっても」。原曲 Key A を C に直します。サビ頭がいきなり E7 – FM7 です。
https://www.youtube.com/watch?v=xHFdjUJNhXs
答えは Am Key の V7 – ♭VIM7 進行でした。「わかってた」「くだらな過ぎる」「こんなことも知らなかったの」。いろいろコメントはあるでしょうが、実際私にはわからなかった。
E7 は Am Key の 5度の Dominant 7th。では FM7 はと言うと同じく Am Key の ♭6度M7 でした。つまりは、C Major Key で言う G7 – Am7 と同じ Deceptive Cadence。E7 – Am7 ではないのでこの場合は二次 Dominant ではなく、Am Key への一時転調だと整理するのが正しいようです。
私としてはスッキリした気分。
ついでに書いておきますと、上の譜面「私がオバさんになっても」Gm7 – A7 – Dm7 の進行わかります? A7 は Dm7 と言う仮トニックに向かう二次 Dominant。では Gm7 は?答えは Dm Key の IV – V – I の IV です。II – V – I だと Gm7 ではなく Em7(♭5) になりますが、Em7(♭5) を鳴らすと感じ暗すぎてこの曲には合いません。では Em7 にしたら良い? これもできません。メロの B♭音 は Em7 の ♭5 音なので II – V – I にしたいなら Em7(♭5) の選択しかありません。なので IV – V – I にしたんだと思います。
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