06.6 Tension Note
Diatonic Chord の Tension Note です
おさらいをしておくと、Tension Note と言うのは 9th、11th、13th です。♭9th、♯9th、♯11th、♭13th も含めて Tension Note ですが、♭9th、♯9th、♯11th、♭13th を特定する場合は Altered Tension と言います。♭・♯ がつかない Natural Tension から♭・♯ がついて「変わった」から。
まとめるとこうです。
9th: | ♭9th | 9th | ♯9th | |
11th: | 11th | ♯11th | ♭11th は 3rd と同じ。 | |
13th: | ♭13th | 13th | ♯13th は M7 と同じ。 |
まず押さえないといけないことは、コードによって取れる (使える) Tension Note (単に Tension と略します) と取れない Tension があると言うことです。ちょっと聴いてみます?
CM7 (9) です。
今度は CM7 (♭9) です。実際にはこんなコードはありません。
どうでしょう? 聴けたモンではないですね。繰り返しますが、コードによって取れる Tension と 取れない Tension があります。そして、ここには法則があります。
取れる Tension とは
- Scale 音
- Chord Tone と 9th
- F音以外の Tritone 構成音
上で言っている 9th とは Natural 9th (M9) のことです。つまりは♭9th (m9) や ♯9th (+9) はTension になれないということです。F音以外の Tritone 構成音については「07.6 Tritone をわかってなかった」を見てください。
コードごとに見て行きますが、一つだけ前もって書いておいた方が良いことがあります。それは♭9th についてです。♭9th を「半音」と解釈する人がいるかも知れませんが、それは違います。あくまで♭9th です。上の鍵盤を見てもらうと、♭9th を作っているのは、Root の C と D♭です。D♭を 1 Octave 落とすと、左に Chord Tone、右に Tension というポジションになります。しつこく言っておきます。
下は Am7 (9) です。
Root の A音と 9th である B音は 9th であって♭9th ではありません。だからセーフ。一方、 9th である B音を 1 Octave 落とすと、3音である C音と半音になります。半音なのでダメだと直感的に思ってしまいがちですが、これは ♭9th ではなく 3音である C音から見たら、9thである B音は M7th です。何が言いたいかと言えば、Tension を置いたときに気にするのは、Tension の左側であって、右側はどうでも良いと言うことです。
✔️ CM7
青が Chord Tone。赤が Tension。❌は取れない (使えない) Tension です。取れる Tension を Available Tension、取れない Tension を Avoid Note と言います。CM7 の場合、 Available Tension は 9th と 13th になります。Root から一つ飛ばしで白鍵だけを押さえているので、青・赤とも
- Scale 音
は満たします。次は赤の中で、
- Chord Tone と 9th
を満たすものはどれか? 左横と♭9th (半音) にならない 9th と 13th です。
✔️ Dm7
上と同じやり方でみると、Available Tension は 9th と 11th と13th。13th が F音と Tritone を作りますが、Tension Note は F音ではなく B音なので取れる Tension になります。この13th については私の行っていた学校は Avoid Note 扱いでした。理由は Tritone を構成してしまうから。このページも、一旦 Tritone を作ってしまう 13th は Avoid Note として扱っていましたが、「07.6 Tritone をわかってなかった」で書いたとおり F音以外が Tension Note なら Tritone でも Okay だと考え直しました。
✔️ Em7
ここからは鍵盤が足りなくなってしまったので、Tension を Chord Tone と同じ Octave に書きます。♭9th の F音は♭9th でダメです (左隣と半音)。♭13th も左隣と半音。
✔️ FM7
FM7 には Avoid Note がありません。♯11th という Altered Tension が取れます。♯11th の B音は、Scale 音ですし、3rd と Natural 9th です。なので取れる Tension なんですが、たまたまそれが Altered Tension だったということです。
✔️ G7
11th が Avoid Note です。と書いて終わりなら楽なんですが、終わりません。 終わらないどころか違うページで G7 だけ説明します。
✔️ Am7
Am7 は、♭13th の F音が 5th の E音と♭9th になります。F音は Avoid Note。
✔️ Bm7 (♭5)
Bm7 (♭5) だけ、9th が Tension として取れません。♭9th になるので。また、♭13th と言う Altered Tension が Available Tension になります。
以上が C Major Key 上の Diatonic Chord の Tension になります。「これで Tension についてはほとんどカバーしたのか?」 してません。ただ、Tension の法則はどの Non Diatonic Chord にも当てはまるので、このページがしっかりわかれば、怖いものなしです (多分)。 まとめておきます。
Diatonic Chord | 取れる Tension | ||
CM7 | 9th | 13th | |
Dm7 | 9th | 11th | 13th |
Em7 | 11th | ||
FM7 | 9th | ♯11th | 13th |
G7 (今のところは) | 9th | 13th | |
Am7 | 9th | 11th | |
Bm7 (♭5) | 11th | ♭13th |
最後に Dm7 に戻ります。Dm7 の 13th のように Tritone を構成する Tension は取れる Tension かどうか。教科書的に言うなら、Dm7 のファとシを聴くと Dm7 が Subdominant なのに Dominant 感が強く出てしまうと言うのが答えです。つまり、SD というコードの機能が希薄化してしまう。本当にそうか? 2つの考えがあります。
- やっぱり Tritone はダメ
- 注意して使いましょう
ここで Dm7 (13) ⇨ G7 ⇨ CM7 の音を聴いてください。一番音の高いところで Tritone を鳴らしています。
どうですか? 私はありだと思います。注意して使いましょう派。なので 13th を取れる Tension にしました。
Tension はまず鍵盤を見て理解するやり方がお勧めです
This page originally written on 2021.01.09, revised on 2021.09.22
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