06.9 Cadence
曲の区切りや終わりには一定のパターンがあります
長調の Cadence について少し書いておきます。余り気乗りがしないんですが。わざわざ勿体ぶって書くようなことかよと思ってしまうから。それでも書くのは、この章でやった Tension を入れた Cadence を聴くことで Tension の感じをわかってもらいたいからです。
Cadenceという英語は、日本語では終止とか終止形とか言います。ただ、曲の一番最後だけを指すのではなく、曲の区切りも含めて Cadence と言うのが一般的です。
Major Key の Cadence の基本 (基本終止と言います) は、
- Dominant Cadence : G7 ⇨ C
- Subdominant Cadence : F ⇨ C
上のコードは四和音にしてもらってもちろん Okay です。Dominant Cadence は日本語で正格終止とか全終止とか呼ばれます。曲の区切りで頻出しますよね。Subdominant Cadence は変格終止とか教会終止とかアーメン終止とか呼ばれます。この典型例は Sugar のウエディングベルです。最後のア〜メンが正にアーメン終止 = Subdominant Cadence。例が古くてすいません。
以下箇条書きで押さえておきます。
- 基本終止に対して、複合終止と呼ばれるものがあります。Subdominant – Dominant Cadence。F ⇨ G7 ⇨ C (IV – V -I, Four five one)。Dm ⇨ G7 ⇨ C (II – V – I, Two five one)。
- 半終止 (Half Cadence) は、曲の区切りで G7 を置く場合。それこそいっぱいありますが、思いついたのが、スピッツのロビンソン。 Aメロの「走る君を追いかけた」のところが半終止。これは例を出すまでもなく、サビが Tonic で始まるならその前の半終止は超普通ですね。
- 偽終止 (Deceptive Cadence) は、G7 から C に進行せず、Am7 or Em7 に行く場合。Am7 も Em7 もコードの機能は Tonic です。歌本で探したらスピッツのロビンソンが偽終止でした。たまたまですが上の半終止と同じ曲。Key は A ですが C に直すとサビの「ルララ宇宙の風に乗る」が F – G – Am です。曲の一番最後も同じ歌詞ですが、コードを変えているのでこれは違います。
さて、複合終止で Dm ⇨ G7 ⇨ C が出て来ました。いくつか聴いてみてください。コードは全て 4音で、Tension が入ったら 5th は抜きました (必要ないし)。
✔️ Dm7 ⇨ G7 ⇨ CM7 Tension を使わずコードトーンだけ。
✔️ Dm7 ⇨ G7 (9) ⇨ CM7 G7だけ 9th の Tension を入れました。あまり Tension 感はないですね。
✔️ Dm7 (9) ⇨ G7 (9) ⇨ CM7 (9) 全てに9th を入れました。
✔️ Dm7 (9) ⇨ G7 (9) ⇨ G7 (♭9) ⇨ CM7 G7 から CM7 への進行で、Top Note が A ⇨ A♭ ⇨ G と Chromatic (半音で) 下りて来るようにしました。
✔️ Dm7 (9) ⇨ G7 (13) ⇨ G7 (♭13) ⇨ CM7 (9) これも Chromatic に Top Note が下りて来ます。E ⇨ E ⇨ E♭ ⇨ D。Top Note は全部 Tension。これオシャレな終わり方のド定番です。Chromatic に下りて来て最後が C Major Chord なのに D で終わって大人の感じが出ます。
全て Tonic は CM7 (9) を使いましたが、C6 でも C6 (9) も使えます。
一番有名な Cadence は Two Five One です
This page originally written on 2021.01.16, revised on 2021.10.04
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