13.6 Modal Interchange Chord の Chord Scale

まずおさらいです。Modal Interchange Chord (借用和音) の Chord Tone 以外をどの音で埋めるかと言う話があったことを覚えています? Parallel minor (同主短調) から借用したコードだったら Natural minor Scale の音で埋めるか or Major Scale の音で埋めるかと言う話。結論はいいとこ取りでした。取れる Tension はたくさんあった方が良いので両方から引っ張ってくる。Chord Scale もそのやり方で作ります。

一番よく使う Subdominant minor Chord の取れる Tension を「09.2 Subdominant minor Chord の Tension」からコピーしました。 これを見ながら書いていきます。

D♭M7 9th ♯11th 13th
Dm7 (♭5) 9th 11th ♭13th
Fm7 9th 11th 13th
A♭M7 9th ♯11th 13th
B♭7 9th ♯11th 13th

注: 学校では Fm7 の13th は取れる Tension ではありませんでした。13th D音が Chord Tone の A♭音と Tritone を作ると言うのが理由です。

一番わかりやすそうな Fm7 から。

✔️ Fm7 = Dorian

まず Chord Tone 以外を C Major Scale 音で埋めます。青字が Chord Tone、赤字が埋めた音です。❌は取れない Tension です。

♯11th は Tension として取れません。minor 3rd の A♭音と Natural 9th にならないので。次に C Natural minor Scale 音で埋めてみます。

これだと ♯11th が 11th に変わり取れる Tension になります。いいとこ取りなので Chord Scale はこちらの Dorian になります。

✔️ A♭M7 = Lydian

Chord Tone + C Major Scale 音です。

♯9th は Root と Natural 9th ではないので 取れない Tension です。今度は Chord Tone + C Natural minor Scale 音です。

こちらは Avoid Note なしなのでこちらを採用します。Lydian です。当たり前と言ったら当たり前ですよね。だって元々 C Natural minor のコードなんだから無理やり C Major Scale 音で埋めるより馴染みがいい。

✔️ B♭7 = Lydian ♭7

Chord Tone + C Major Scale 音です。

上は Lydian の 7音が半音下がった Lydian ♭7 です。

この Scale わかります? Mixolydian です。11th が Avoid Note になるので、なんとここは C Major Scale に軍配が上がります。ただ、学校のノートを見直すと B♭7 の Chord Scale はMixolydian  と書いてあります。♯11th の音がしっくりくるかどうかだと思いますが、このサイトは単純に取れる Tension は多い方がいいと言う理由で Lydian ♭7 を採用します。

✔️ Dm7 (♭5) = Locrian ♯2

13th が Avoid Note です。

♭9th が Avoid Note です。上 2つのどちらにも一つづつ Avoid Note があります。ここでいいとこ取りをすると下の Chord Scale になります。Locrian ♯2 と呼ばれる Chord Scale。Locrian の 2番目の E♭音が半音上がって E音になっています。「勝手にいいとこ取りをして Chord Scale を合成してしまうことをやっていいのか?」Locrian ♯2 はちゃんとあります。Melodic minor の 6番目を Root とする Chord Scale。ただ、何で Mm の 6番目を Dm7 (♭5) と言う2番目の Chord Scale にできるかは私にはわかっていません。

✔️ D♭M7 = Lydian

D♭M7 は C Phrygian の 2番目から持ってきたコードです。Chord Tone の隙間を C Major Scale 音で埋めると下のようなへんてこな Scale になります。♯13 なんて存在しません。理由わかります? ♯13 = 7th なので。7th と M7th が同居する Chord Scale はありえません。

そこで Chord Tone の隙間を C Phrygian Mode Tone で埋めます。こちらだと Avoid Note がなくなる Lydian になります。

他にも Modal Interchange Chord はありますが、もう Chord Scale の作り方は分かってくれたと思うのでこの辺にしておきます。

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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