16.2 ペダル

ペダルはちゃんと言うとペダルポイント (Pedal Point) です。ピアノのペダルではありません。もちろん自転車のペダルでもありません。元々はオルガンのペダルです。パイプオルガンは足で踏んで鳴らす鍵盤を持っています。これがペダルです。低音が鳴ります。バロック音楽でペダルを踏みっ放しにして、手で動きのある曲を弾いている場面がありますが、これがペダルポイントです。

私のいた学校の教科書から引用すると、「コード進行にかかわりなく、低音部に単一の音を置くことがある。この変化しない声部をペダル・ポイントまたはオルガン・ポイントと言い、コード進行とは別個のもの=非和声音として扱う」。簡単に言えば、低音で同じ音が鳴り続けている or 繰り返し鳴っている状態をペダルと言います。

CM7 – Dm7/C – Em7/C – FM7/C

学校の教科書は非和声音と言っています。つまり、コードの中でどう響くかではなく、コードとは別に下の方で同じ音が鳴っているのがペダルです。

学校の先生は、低音になればなるほど人間の耳は Pitch (音の高さ)を感じにくくなるので、上で何が鳴っても協和不協和が関係なくなると言ってました。鍵盤中央の C音は約 262Hz ですが、2 Octave 下がると 65Hz になります。中央の C音隣の D音の周波数は 294Hz で 32Hz 離れていますが、2 Octave 下の C音と D音 (73Hz) の差は 8Hz しかありません。確かにこれでは Pitch 感が薄くなります。

私の理解は、下の方は下の方で曲に低音の厚みをだすので上は勝手にやってくれと言うのがペダル。

上の例のようにずっと C音が続くのを Tonic Pedal。G音が続くのを Dominant Pedal と言います。

Dominant Pedal です。CM7/G – Dm7/G – Em7/G – FM7/G を聴いてみてください。

ここまで書いてくると、「ペダルは低音だけではなく高音もある」と言われますよね。確かに今まで書いて来たのは、低音のペダルでした。ベースペダル (Bass Pedal) と言います。これに対して、高音の Pedal は ソプラノペダル (Soprano Pedal) と呼びます。良く出てくるのが、バイオリンが高音で同じ音を鳴らし続けるパターン。ただ、ベースペダルより存在感は薄いと思います。何より、ベースペダルなら Slash 表記を使って、ペダル音を表記できますが、ソプラノペダルはコードネームでの表記方法がありません。また、高音を鳴らすのでベースペダルとは逆で Pitch 感が強くなるように私は感じます。上は上で勝手にやってくれにはならず、コード進行とは別物にはならないと思います。

CM7 – Dm7 – Em7 – FM7。上で C音をバイオリンが鳴らします。

一つ言っておきますと、Em7 の C音は Avoid Note です。ただ、ソプラノペダルで不協和には聴こえません。私の感じですが、C音が鳴ると Em7 ではなく CM7 の展開形に聴こえるからだと思います。

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です