17.7 突然転調

今まで突然転調については少し書いたと言うか触れた程度だったのでちゃんと書かないといけないと思っていました。突然転調する曲を探していましたが、なかなかこれだと思う曲が見つかりませんでした。確か TV 番組で Perfume の曲の突然転調をやっていた覚えがあって探しに入りましたが曲がたくさんあってとっても無理だとあきらめ。なので、正直にいうとネットから教えてもらいました。

SHISHAMO の「明日も」  

 https://www.youtube.com/watch?v=zhCtzmDWsN0

この曲はAメロからずっと D♭ Key なんですが、サビで G に転調します。以降 C Major Key  で書きますが、ずっと C Major でサビで F♯ に転調します。転調の仕方も転調の常套手段を使うのではなく、突然サビで F♯ になるので突然転調です。

突然転調は意外に少ない。近親調 (調号一つ違い) ではない調に転調するときもそれなりの細工がされていることが多く、細工なしでの転調は本当に少ないと思います。

ただ、本当に細工がないのかという目で見ると、手がかりは C ⇨ F♯ Major Key への転調にあります。C と F♯ は 5度圏の対角です。何か関係ありそう。そういう目でこの曲を見ると、Bメロ最後のサビにつながる「今日もいく」のコード進行が A♭ – G7 です。更に サビ直前でギターが G7 – A♭ – B♭7 でジャジャッジャッジャーと鳴らしています。

Bメロ終わりまでは C Major Key なんですが、Bメロの最後は SDm を連続して聴かせることで、Cm or E♭Major Key の感じが強く出ます。E♭の Parallel minor (同主短調)  は E♭m。その Relative Major (平行長調)が F♯ になります。突然転調なんですが、全く関係ないとは言えませんねという風情をこれで出しているように見えます。

学校で教わりましたが、C の Key で始まり、5度圏でいうと 90度づつ回って最後に C に戻るという転調は多いとは言いませんがあるようです。C – E♭ – F♯ – A – C。

最後に「明日も」はなぜ転調しているかです。これは単に想像ですが、サビも C にしてしまうと高すぎて歌えないからだと思います。サビとサビ以外で音域が違うということは良くあります (少なくとも私の場合は)。いいサビを作ったので活かしたいんだけど、Bメロと音域が違って繋がらない。この調整に転調を使ったように見えます。なので、転調自体に華やかさとか意外さとかを込めようとした感じはしません。

突然転調は聴いている人の驚きと快感を両立させるギリギリを攻めることになるので結構難しいと思います。私は使ったことがありません。有名作曲家が使えば受け入れられても、無名が使えば「へん」の一言で片付けられそうなので。

 

 

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です