Ex-22 「大都会」のベースの半音下行
この前ラジオを聴いていたらクリスタルキングの「大都会」がかかっていました。正に High Tone Voice です。私は学校の先生からコードを捕捉するにはベース音を聴けと教わったのでどうしてもベース音に耳が行きがちです。ベースは普通コードの Root を鳴らすので、ベース音が聴ければコードの特定もしやすくなると教わりました。確かに紛らわしい FM7 と Dm7 を聴き分けるにはベース音を聴きますが、この「大都会」のように鳴らさないことも多いのでベース音は参考程度ということだと思います。
それで気づいたことがあります。サビのベースがずっと半音 (Chromatic) 下行です。原曲 Key は G ですが、C に直して言うと、サビ頭から C – B – B♭ – A – A♭。5小節目以降は C から始まり G まで半音で下行しています。中々 C から始まって G まで半音で落ちていく動きは聴かないので取り上げました。
https://www.youtube.com/watch?v=70IOvLdhEWg
下の譜面は符尾 (音符に付いている線) が上を向いているのがメロ、下を向いているのがベース音です。ただ、ベース音は Octave 上げて入れました。
どうです? ここまで半音で下行して行くベースラインってあんまりないですよね。譜面の上の段も下の段も似たようなものなので、G音まで下行する下の段を説明します。
5小節目の C に説明は要らないですよね。次の G/B は G のコードの構成音である B音をベースに持ってきただけです。G の 1st Inversion (第一展開形)。
6小節目の B♭です。B♭は Non Diatonic Chord です。ではどこから引っ張って来たのか。私が考えるのは2つです。一つは SDm (Subdominant minor) の B♭7。つまりは C Natural minor から。もう一つは C Mixolydian から。どちらだと思います。曲の中では B♭という Triad が鳴っていて 7音は鳴っていないと思います。7th が鳴っていたら B♭7、M7th が鳴っていたら B♭M7 だとわかるんですが、7音を手がかりにすることはできません。後ろの方で鳴っているトランペットも 7音は出していません。
と言うことで私にはどちらから引っ張って来たのか判断がつきません。
7小節目の Fm/A♭の Fm は SDm です。A♭が Root になっているので Fm の 1st Inversion (第一展開形)。半音下行するには A♭音は避けて通れないので、そこに SDm を持ってきてます。7小節目の G から 8小節目の C の進行は完全終止 (Perfect Cadence or Authentic Cadence or Perfect Authentic Cadence)。
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