Ex-41 「中央フリーウエイ」の Aメロのコード
ラジオで松任谷由実さんが荒井由美時代の「中央フリーウエイ」が流れてました。この曲 40数年前の曲で私はドンピシャ世代です。昔の曲なのに Pop な感じが出ていてカッコいい。
その時は聴き流していたんですが、あとで Aメロ始まってすぐの黒鍵盤が鳴るところのコードは何だろうと思い、頭の中にメロを呼び出しました。黒鍵盤 (臨時記号) は下の譜面の 2小節目の終わりに出てきますが、シンコペしているので実際には 3小節目のコード。
B♭音なんだから、雰囲気から言ったら Gm7 だと思って鍵盤で合わせてみたら合いません。この時点では曲をちゃんと聴き直してないのでベース音もわからないし、歌本も見ていないので単純にメロにしっくりくるコードが何か探したら A7 でした。多分これで当たり。
B♭音は A7 の ♭9th。♭9th をメロにしているところがカッコいい。
Aメロは下の譜面に青で囲ったようにいっぱい臨時記号が出てきます。なので Aメロ全部にコードを当ててみました。これが歌本に載ってる解答と合うかどうか?
上の譜面を作っていて気が付いたことがあります。3・4小節目のメロは全音下げると 5・6小節目のメロと完全に一致します。と言うことは 3・4小節目のコードが A7 – Dm7 の筈なので 5・6小節目は全音下の G7 – Cm7 になるかも。そこで G7 – Cm7 を当てたのが下の譜面です。聴いてみるとこっちの方がしっくりします。
下の譜面のコードですが、
- アウフタクトの後 CM7 から始まり
- A7 – Dm7 は二次 Dominant
- Dm7 – G7 – Cm7 で II – V – I ですが考え方としては Major Scale でも minor Scale でも出てくるG7 を介して (Pivot として)C minor Key に転調
- それ以降はずっと Cm と見ることもできますが、8・9小節目の B♭7 – E♭M7 は Cm の Relative Major Key である E♭ Key の V – I と見た方が明るい曲調からすると良いのでは
- 5小節目の C♯音は G7 の ♯11th なので G7 で使える Tension
歌本を見て答え合わせをします。まず、原曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=t3M4jqdoJMc
歌本どおりのコードを入れました。違っていたのが 3ヶ所。言い訳をすると、
- 8小節目が B♭7 ではなく Fm7/B♭。これ B♭7 とほぼ同じですね。B♭7 が持つ Tritone を嫌って 3rd を半音上げて Sus4 Chord のようにしたもの。
- 9小節目が Fm7 ではなく Dm7(♭5)。 これも C minor Key の中の Subdominant Chord で機能は同じで良く似たコード。
- 10小節目が G7 ではなく Dm7/G。これも上と同じくG7 の Tritone を嫌って Dominant 感を薄めるコード。ただ、ここで注目したいのは一つ前の Dm7(♭5) では (♭5) だったのが Dm7/G では Natural 5th に変わっているところ。(♭5) は A♭音で C minor Key の Scale 音ですが Natural 5th の A音は C Major Key の Scale 音。つまり、ここで Cm から C Major に転調して元に戻している。
まとめると、メロに ♯ や♭が付いていて 同じ ♯ や♭が入っているコードを引っ張ってきてもうまくいかない場合は 7th Chord を当てて見ると結構当たりますと言う話です。7th なら ♯ や♭をいっぱい拾えますから。
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