Ex-42 「あの日にかえりたい」のイントロのコード
ユーミンの荒井由美時代の名曲です。1975 年の曲なのに全然色あせません。ボサノバ アレンジもカッコいい。原曲 Key は Fm ですが、ここでは Am で書きます。
https://www.youtube.com/watch?v=BK_D7DGwg6g
下の譜面は「あの日にかえりたい」のイントロです。メロがカッコいいのは 1・2小節のメロがほとんど Tension Note でできているところ (下の赤字の数字) だと思っています。
さて、このページのお題です。青枠に別のコードを入れるのか入れないのか、入れるとしたら何のコードが入るのか。
まず青枠には何も入れずに鳴らすとこうなります。どうでしょう? 別におかしくないですよね。青枠の下の E♭音は E音と D音の間に置かれているつなぎの音です。日本語では経過音、英語では Passing Tone。この E♭音は Dm7/G の Chord Tone でもなければ、取れる Tension でもありませんが、経過音 (つなぎの音) なのでおかしく感じません。
経過音については本編でもまだ書けていませんが、2つの音を繋ぐ音。曲の速度がそこそこあれば全く問題なし。速度が速いとこれが正解。
2小節目は Dm7/G のコードを当てました。歌本やネットを見ると Dm7を当てているところ、G7 を当てているところに分かれています。Dm7/G にした理由ですが、ベースは確かに G音を鳴らしているもののその上で鳴っているのは Dm7 に私には聴こえるからです。
では青枠に入れるとしたら何のコードが入るかです。
✔️ Chromatic Approach
Em7 と同じ m7 Chord で半音下げた E♭m7 を Em7 の前に持ってきたもの。E♭m7 の Chord Tone 全部が半音上がって Em7 に進むので Chromatic (半音の)Approach と呼ばれます。
これは Em7 の前にその 5度上の Dominant 7th Chord を置くやり方。メロの E♭音は B7 の 3rd です。ちなみにベースの動きを滑らかにするために B7/F♯を置いています。ベースの動きが G – F♯ – E と半音で落ちていきます。
E♭音を Chord Tone に含む Dim7 Chord を置きます。今勉強中の 「Instrumental Jazz Arranging」と言う本ではこの Diminish Approach は Dominant Approach の中の一つとして扱っています。理由は、E♭dim7 = B7(♭9) だからです。B7(♭9) の Root を鳴らさないとE♭dim7 になります。E♭dim7 はベースを G – F♯ – E と半音で落としていくために F♯を下に置いています。なので F♯dim7 と言い換えることもできます。dim7 は構成音から見れば 3種類しかなく E♭dim7 = F♯dim7 です。
✔️ Dominant Approach の裏コード
Dominant Approach が B7 何だからその裏コードも使えると言う理屈です。
では原曲は何でしょうか? 全然自信はありませんが、Diminish Approach (E♭dim7) のように私には聴こえるんですが。
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