Ex-78 「夢で逢えたら」の王道のコード進行
大滝詠一さんの「夢で逢えたら」です。原曲 Key B♭ を C に変えます。名曲です。個人的には日本の歌物の最高峰だと思っています。
この曲は頭サビですが、下の譜面は Aメロから書いています。Aメロ ⇨ サビ ⇨ Bメロの順番。耳コピなので参考程度に。ゆったり歌っているので譜面に出てくる三連符は違うかもしれません。
この曲のすごいと思うところはコードが全くベタなところ。和声楽の初心者レベルで出てくるようなベタなコード進行の上によくこのメロを乗せたなと思います。古くならない曲なので、あちこちでカバーされています。
2次 Dominant やら借用和音やら代理コードやら転調やらを使って曲を作っている自分が恥ずかしくなる曲。
https://www.youtube.com/watch?v=w4cxws4N_d4
✔️ 1 〜 5 小節 C – Am7 – Dm7 – G – C
C で始まり Am7 に行きます。どちらも Tonic。和声楽ではこの二つの Tonic を並べるときには C – Am7 でないといけない。Am7 – C は認められていません。3 〜 5 小節は超お決まりの II – V – I。
✔️ 5 〜 8 小節 C – Am7 – Dm7 – G – C
1 〜 5 小節と全く同じ。繰り返しです。8 小節目の C♯dim7 は C と Dm7 をつなげる Passing Diminish。A7(♭9) から Root を取ったものと同じです。A7(♭9) から Root を取ると C♯dim7 になります。Root を勝手に取ってしまって良いのかと思われるかもしれませんが、7th Chord ならいいんです (と和声楽は言っています)。A7(♭9) ⇨ Dm7 は 2次 Dominant になります。
✔️ 9 〜 12 小節 Dm7 – G – CM7 – Am7
これはほぼ王道進行です。FM7 – G7 – Em7 – Am7 が王道進行。Dm7 と FM7 は Subdominant でコードの機能がほぼ同じ。 CM7 と Em7 は Tonic で同じコード機能。王道進行はいっぱいあります。よろしければこのサイトの Ex-07, 08, 09, 10 を見てください。
✔️ 16 〜 17 小節 C – C6 – CM7 – C6
これ C のコードの Top Note を G – A – B – A音と動かしているだけです。これも超ベタ。
✔️ 21 〜 22 小節 D7- Dm7
この D7 がこの曲中唯一の 2次 Dominant です。 ただ、D7 は Double Dominant と言って頻繁に登場するコードなので「Non Diatonic Chord の登場」と大袈裟に言うほどのコードではありません。和声楽初心者レベルの進行で書かれた曲なんですが、唯一ここに和声楽が認めていない進行があります。D7 – Dm7 は認めていません。D7 と Dm7 を並べる場合は常に Dm7 – D7 にしないといけません。あくまでもクラシックの和声楽のお話です。
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