03.5 音程の数え方その4
音程はコードがわかるため必須条件です
音程の数え方は今までのページを見てもらえばわかるはずですが、もう少し言いたいことがあってこのページを作りました。
本文に入る前に、音程の省略表記について。皆さんもここまで読んで音程に馴染んできてくれたと思うので。
- M:例えば M3 = Major 3rd (長3度) 。大文字の M で書いたら Major (長) と言う意味です。
- m :例えば m3 =minor 3rd (短3度)。小文字の m で書いたら minor (短) と言う意味です。
- P :P5 = Perfect 5th (完全5度)。大文字の P で書いたら Perfect (完全) と言う意味です。
- +:例えば +4 = Augmented 4th (増4度)。+のマークを書いたら増音程という意味です。
- −: 例えば −5 = Diminished 5th (減5度) 。ーのマークを書いたら減音程という意味です。
この表記は私のいた学校で使っていましたが、世間一般でも同じようです。
では本文に。
✔️ まずハウツーです。下の5つの音程が何か言って下さい。答えは少しスペースを置いた後に書いてあります。やり方は、
- まず ♯や♭がない状態で音程を見ます。
- その上で、♯と♭の調整をします。注意点です。♯だから拡がるという先入観を持ってはダメです。♯が下の音にある時は、音程が狭くなります。♭はその逆。
答え: 1. m3 2. +2 (増2度、Augmented 2nd) 3. P4 4. +4 (増4度 、Tritone) 5. M9 (長9度)
分かりました?
1. ♯を取れば、M3。♯が下の音に付いていて、音程を半音狭めているので m3。
2. ♭を取ると M2 ですね。そこから♭が入り半音拡げているので 増2度。ちなみに 1. と 2. は呼び方は違いますが同音程です。
3. 両方のフラットを取ると P4。両方に♭が付いているので、音程は P4 のまま。
4. ♭を取ると P4。下に♭が付いているということは半音拡っているので Tritone。
5. これ書いてませんでしたね。ただ単純に 8度 (Octave) の次なので 長9度 (Major ninth)。この音程を入れたのは、コードの章になるとチョクチョク出てくる音程なので。前振りしてここに入れときました。
✔️ なぜ音程を Scale に絡めてやるのか?
03.2 で書いた「音程は単に2つの音がどれだけ離れているかを言っているだけなのに、Scale を持ち出すのはおかしい」。まだこの疑問をお持ちですか? 上の音程問題ですが、どの Key なのか全然分かりません。上の 1. は G♯ minor Key なのか B Major Key なのかという想像はつきます。2. は1. と同じ音程なんですが、書き振りからすると C Harmonic minor Key だろうなという想像はつきます。「何を言っているのか意味不明」。確かに。今はスルーしておいて下さい。言いたいのは上のような問題は、音程についての理解を試すテストのための問題だということです。
実際音程の知識が必要になるのは、音楽をやっている時です。電車に乗るために音程の知識は要りません。英語の勉強にも要りません。必要になるのは、曲を作るとか、曲にコードを当てるとか、楽器を演奏するとかの時だけです。その時は必ず特定の Key と Scale に向き合っているはずです。そこで初めて音程の知識が必要になります。
「そこは、Major 9th ではなく minor 9th で弾いてくれ注」と言われても、Key がわからなければ、どの音を弾いたら良いかわからないですよね。Scale がわからないと、この音を弾く意味や効果がわからないですよね。弾くためには、Key と Scale と音程がわかっている必要があります。実際、Key と Scale は横に置いて、この音程は何度だというケースを思いつきません。
注:実際には、「9th ではなく♭9th で」と言いますが、これはもっとあとで書きます。
これ以降音程表記は M3, m3, P5 のように略記します
This page originally written on 2020.12.22, revised on 2021.08.27
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