12.4 Diminished Chord を使った曲

このページを書くつもりはなかったんですが、Diminished Chord を使うとどんな感じに聴こえるのか実例を出した方がわかりやすいと思ってこのページを加えます。

曲の例を出すとき中々頭からひねり出せないので歌本を買ったと言いました。そこで目に止まったところだけの感想ですが、昔の日本の曲は Dim Chord をほとんど使っていないですね。今の流行りで言うと、Diatonic (白鍵) で勝負している例えばあいみょんさんも一部 Dim Chord を使っているようですし、全体としては昔よりも使用頻度が上がっているように見えます。特に目につくのは、髭男で見た限りのほとんどの曲で Dim Chord が使われています。

あと Dim Chord を多用するのはボサノバですね。私の知る限りですけど。なめらかな Chord 進行のための常備薬みたいなもんです。まず Passing Diminish の例です。

Mr. Children の here comes my love です。

https://www.youtube.com/watch?v=5-S7rIENQmE

Aメロ始まってすぐの「思うかな」と「拾い集めた」の間が Passing Diminish です。原曲 Key D♭。Cに直すと C – C♯dim – D です。 C♯dim の鳴りが短いので Passing Dim ではなく D への Diminish Approach Chord とも捉えられますが、動き (進行) は Passing Diminish です。Diminiish Approach 云々は今はスルーしてください。

髭男の宿命です。

https://www.youtube.com/watch?v=-kgOFJG881I

原曲 Key は F。C に直すと Aメロ始まってすぐの「心臓から溢れ出したで」の「声」が Dim Chord です。G – G♯dim – A。

もう一つ。King Gnu の白日です。

https://www.youtube.com/watch?v=ony539T074w

原曲 Key D♭を C に直します。これ歌本に G♯dim と書いてあったので納得しましたが、普通に聴いたらスルーしていたと思います。結構薄く鳴ってます。00:55 の「言ってらんないよな」の「ないよな」が G♯dimです。G – G♯dim – Am7 の進行。

菅田将暉さんのロングホープフィリアです。Bメロの「君が諦められない理由を」の「ない理由を」が Diminish です。原曲 Key が C で G – G♯dim – Am7 の進行。

https://www.youtube.com/watch?v=5KABLiUE1zQ

今までは Passing Diminish だったんですが、実は Diminish は Passing ばかりではないと言う良い例を見つけました。スメタナのモルダウです。クラシックなんか聴かないと言う人も聴いたことのある有名な曲です。19世紀の作曲なので著作権は問題ないと思います。左手の伴奏はアルペジオですが、Diminish のところだけジャーンと弾いています。

青枠を見て下さい。半音上がりの Passing にはなっていません。ただ、D♯dim と E は半音です。このパターンはすごくよくあります。赤枠ですが、Eが半音下の Dim Chord に行きまた E に戻ります。D♯dim の代わりに Am を入れても良い、というか普通ベタにコードを入れると Am になると思います。D♯dim は Adim と同じなので Adim と書いても良いと思うんですが、Dim Chord だとどうしても隣のコードと半音表示した方が Diminish の雰囲気が出るので D♯dim と書きました。

 

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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