15.3 UST の作り方 – G7 その 1
前のページでは五線譜に Chord Tone を並べて、そのあとに Tension Note を並べて UST を見つけました。別の言い方をすると Chord Tone の Root から一つ飛ばしに Scale 音を置いて行きました。Tension Note を Octave 下げると Chord Scale になります。しつこくなりますが、Chord Scale は Chord の Root が Scale の Root になります。C Major Scale の Dm7 の Chord Scale は D音から始まるのであって、C音からは始まりません。C音から始まったらそれは C Major Scale or C Ionian という Chord Scale になります。
なぜごちゃごちゃ書くかと言うと G7 の UST は G7 の取れる Chord Scale をベースにするので、まずここで Chord Scale 前提の説明になりますと言っておきたかったからです。皆さんまだ覚えています? G7 の取れる Chord Scale。
C Major Scale 上の G7
- Mixolydian
- Lydian ♭7
- Phrygian ♯3
- Altered
- Combination of Diminish
C Harmonic minor Scale 上の G7
- Phrygian ♯3
- Altered
忘れてしまったら「13.4 G7 の Chord Scale」を見てください。
✔️ G Mixolydian
まず Chord Scale です。これは「15.1 UST の作り方その1」で出てきた G Mixo と同じです。
これを前のページのやり方で書き換えると、15.1 と同じです。というかコピペです。Gコードの上には Dm と Em が乗っかります。
✔️ G Lydian ♭7
Melodic minor の4番目の F7 から Chord Scale を借用した Lydian ♭7。Avoid Note がありません。上と同じやり方で、まず Chord Scale を書き、
バラして書くとこうなります。Dm、A、Em が乗っかります。
✔️ G Phrygian ♯3
Harmonic minor 上の G7 の Chord Scale です。Harmonic minor は 7度の音を Leading Tone が欲しくて半音上げたので 6度と7度が増2度になっています。増2度 = 短3度 (m3)です。少しだけ横道に逸れますと、このサイトはこの Chord Scale を Ph ♯3 と言っています。学校で教わった言い方。コード理論大全は Mixo ♭9, ♭13。Jazz 系の方は「Harmonic minor Perfect 5th below」と言うようです。Ph ♯3 は Harmonic minor の 5度からできる Chord Scale ですが、この5度からみて Perfect 5th (完全5度) 下の 1度から始めると Harmonic minor Scale になりますよと言う意味です。Hm の5度からできた子供が親よりでかい顔をしている感じ。
なんとこれ以降は楕円では囲めません。頭の体操のようになって行きます。上で書いた増2度 (短3度 = m3) を使って UST を作ります。G の上に A♭m が乗っかります。
✔️ G Altered
G Altered は 4つ UST が作れますが、間違い探しをするように目を凝らさないと見つかりません。まず Chord Scale です。
UST ですが、全部まとめて書くと訳がわからなくなるので一つづつ書きます。
A♭m/G です。
B♭m/G です。なぜ、A♯m/G と言わないのか? 5度圏を思い出してください。5度圏に A♯m はありません。なので A♯m を聞くことはありません。ただ、下の五線譜は ♯9th を示すために ♯で書いてあります。この辺が混乱するところです。UST が音符の隣ではなく飛び地にあるので、これを見つけるにはやはり鍵盤を Visualize (可視化) するのが一番早いと思います。
D♭/G です。♯に惑わされないでください。
最後に E♭/G です。
G7 の上にはいっぱい UST が乗っかります。これは使えると思いません? 実はこれに続いて Diminish の UST を書くつもりなんですが、回らない頭を使い過ぎたのでページを分け次のページで書くことにします。
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