Ex-29 「きらり」の Aug コード?

Ex-24 で書いた「きらり」に戻ります。お題はきらりで出てくるのは Aug コードと呼ぶのか、それとも ♯5 と呼ぶのか、はたまた♭13 と呼ぶのかです。

Ex-24 で出した譜面をもう一度出します。

2小節目に A7(♭13)、3小節目に G7(♭13) が出て来ます。この♭13 は Aug コードの Augmented 5th と同じ音です。ネットで見ると Aug Chord で表記しているのもあります。また ♯5 と表記することもあります。

つまり G7aug = G7(♭13) = G7(♯5)。出ている音は同じです。細かいことをいえば、G7aug と G7(♯5) は 5th が半音上がったので元々の 5th は無くなっていますが、G7(♭13) は 5th が残った上で♭13 を重ねます。ただ、♭13 を鳴らす時には普通 5th は鳴らさないので実際は全部同じ音です。なので、aug、♭13、♯5 は同じです。

そうなるとどれでも良いかとなりますが、一般的な傾向としては、

  • Tonic, Subdominant Chord に使う時には Aug Chord 表記
  • 特にクリシェで出て来た時には Aug Chord 表記
  • Dominant 7th で使う時には♭13 or ♯5

では♭13 と ♯5 の使い分けがどうなるかですが、私の感覚では Tension がいっぱい出てくるコード付けをした曲では♭13。G7(♭9, ♭13) であって、G7(♭9, ♯5) とは書きません。一方でベタな感じの G7 にスパイスを効かせたい場合に使うのは ♯5。

結論としては「きらり」の♭13 は Aug コード表記にはなりません。A7(♭13) も G7(♭13) も Dominant 7th なので。そうなると♭13 or ♯5 ですが、この曲の感じだと ♯5 だと私は思いますが、実は ♯5 表記好きと言う個人の好みも加わっています。

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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