Ex-68 シェエラザードのコードその3
コード解説の続きです。Key は C に変えています。
✔️ 13 〜 14小節 E7 ⇨ Dm7(♭5) ⇨ Am
これ理屈としてわかりますか? E7 ⇨ Am だと Am Key の V – I or C Major Key で Am に進む二次 Dominant ですが、間に Dm7(♭5) が挟まっています。この Dm7(♭5) をどう説明するか。
- E7 の裏コードはB♭7 です。B♭7 が Major Scale 上にあると考えると B♭7(9) omit B♭になります。つまり Root を抜いた B♭7。B♭7(9) の Root である B♭音を取ると Dm7(♭5) になります。ではなぜ B♭7 と表記しないのか?
- B♭7(9) にするとメロの C音 – B音 – C音の B音が B♭音の♭9th になってしまうからです。メロが♭9th で当たってしまう音がコードの Root と言うのはちょっとなしなので Dm7(♭5) で表記しました。
- E7 は Am に向かう Tritone を持っていますが、Dm7(♭5) も E7 と同じ Tritone を持っています。
✔️ 14 〜 15小節 G ⇨ Gm7(♭5) ⇨ F
G から F に進む間につなぎのような Gm7(♭5) が入っています。Pops では G ⇨ F は全然 Okay ですが、和声学では G は 必ず Tonic に進み F (Subdominant) には進めません。和声学はモーツアルトの古典派時代 (18世紀) の理論なので同じクラシックでもこの曲ができた 19世紀の終わりでは許されていたと見るのが妥当なんでしょうか?
例えば 13 〜 14小節の E7 ⇨ Dm7(♭5) ⇨ Am で Am Key に転調したと考えるとどうか? その場合、G は Am Key の Subdominant になるので Tonic の F に進めそうです、ただこれは Pops の理論であって和声学では G は Dominant です。この G は 5度下の C にしか進めません。
悩むところですが、私は「C Major Key の G から F に進むのは和声学では禁止されているが、間につなぎのコードを挟んでスムーズに進めるようにした」が正解だと思います。つなぎの Gm7(♭5) ですが、良い感じでコードをつないでいます。G ⇨ F の進行で見ると、G ⇨ Gm7(♭5) ⇨ F とすることでスムーズに音が下行していきます。
✔️ 16 小節 A♭+ ⇨ C
Bass 音が A♭なので A♭+ (A♭aug) と書きましたが、これは C+ ⇨ C のクリシェです。
✔️ 17 小節 Fm
Subdominant minor です。
✔️ 18 〜 19小節 Gm7(♭5) ⇨ G7(9) ⇨ G7(♭9)
Gm7 とか Gm7(♭5) が来ると次は C7 が来ないといけないと考えてしまいますが、C ⇨ G7 の間のいい感じのつなぎ役になっています。(♭5) が入るコードは結構つなぎ役が多いと思います。また G7(9) ⇨ G7(♭9) は Pops では定番ですが、クラシックでも使われていました。この Gm7(♭5) を理論でどう説明するのか? Passing Diminish の香りがして答えはそのあたりにありそう何ですが、今の私の実力ではわかりません。
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