05.2 調性と無調

普段聴いている音楽が調性音楽です

実はここでコードの機能について書きたかったんですが、まだコードにたどり着いてないことに気が付きました。なので、ここでは調性と無調の聴き比べをしておきたいと思います。調性音楽の代表として出すのは、Joy to the world (もろびとこぞりて) の初めの部分です。この曲は Public Domain という著作権に引っかからない曲なので堂々と出します。

✔️ 調性感満載

すごいですね。はなからドシラソファミレド。C Major Scale を上から降りてきています。そのあとは、ソラ〜ラシ〜シド〜。つまりはソラシド。学校でこのフレーズ (曲の一部)を作ったら面白くないとか、Scale をなぞっているだけとか言われそうです。ただ、曲というのは、何度も聴いたり、何度も歌ったりすると自分の中に馴染んできます。これを聴いて下らなすぎるという人はいないと思います。脱線しますが、次々にヒットを飛ばす歌手の歌というのは、曲の魅力に加えて、何度も聴く機会があって、だんだん馴染んでくるからだと思っています。

ソラ〜ラシ〜シまで来たら、次はドだろうなと想像出来ます。これが調性です。間違ってもファとは想像しないですよね。シ〜シと Leading Tone を重ねられたら、次はドで決まり。これが調性音楽です。「人間は調性の網の目を通してしか音楽をやれない」。私の仮説です。ただ、誰もが次にこの音が鳴るとわかってしまう曲は、曲として面白くないので、曲を作る側としては聴く側の意表をつくよう頭をひねっている。これは曲が売れない私の言葉ではなく、著名な学校の先生が言ったことです。

✔️ 無調

こちらは今適当に作ったフレーズです。12音技法のつもり。この技法では、一旦使った音は12音全部使い切るまで使ってはいけない。1音を伸ばしすぎると、そこで調性が生まれるので伸ばしてはいけない。例えばドミソと進んでしまうと明らかに C Major という調性が生まれるので、音の繋ぎで調性を感じさせてはいけない。とかとか、ルールがあります。このフレーズは今言ったルールで作り、作ったフレーズを逆にする逆行という手法で音を重ねています。

気持ち悪い、おぞましい、という感想ですか? 「こんなの聴いたことない」。本当に聴いたことありませんか? 私が思い付くのは、多分完全な 12音技法ではないと思いますが、ドラクエの魔物いっぱいのダンジョンとかで鳴る音楽。もう生命値がわずかなのに、今にも強そうな魔物が出てきそうな感じ。とまれ、ゲームなんかで場の効果として出てくる程度で、それだけ聴かせるという場面はないですね。歌えないですし。

✔️ 調性の希薄化

これはある曲をアレンジした時に作った曲のイントロです。調性を薄くして浮遊感は出したいけど、薄くなりすぎると変に聴こえるかなと思って、ちょっと薄めただけにしたもの。というか、結果としてあまり薄まらなかった。Joy to the World と比べてどうですか?調性感満載という感じではないものの、今聴くとかなり調性寄りに聴こえます。

 

私たちは12平均律と調性が支配する世界にいます

This page originally written on 2020.12.29, revised on 2021.09.06

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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