06.3 長調のコードの構造

長調の Diatonic Chord です

まずは Triad (三和音) です。

字が小さくてすいません。読みにくいですか? スマホにちょうど収まるサイズがこれのようなので。

度数を入れてないところは、例えば Em だったら同じ minor Triad の Dm と同じなのでそこを見てくださいという意味です。度数を入れてあるコードが 3つあります。つまりは 3種類あるということです。

Scale 音を Root にして作ったコードを Diatonic Chord と言います。Diatonic とは調性内という意味ですが、Root も 3rd も 5th もすべて調性内の音を使ってできたコードだとしっかり頭に入れておく必要があります。言い方を変えると、C Major の Diatonic Chord とは、白鍵だけを使って作るコードのことです。例えば、Dm7 の 3rd は F音ですが、D7 というコードになると 3rd は F♯ になります。黒鍵が鳴ってしまう。 C Major Key で黒鍵が鳴るのは Diatonic ではありません。

このコードの中で主役は C。主役の脇を固めるのが G と Fです。コードには機能があり、C は Tonic (T, 主和音)、G は Dominant (D, 属和音)、F は Subdominant (SD, 下属和音) と言います。C, F, G 以外のコードも同様に機能があります。上の五線譜の通りです。

C、F、G は Major Triad です。Major Chord は Root と 3rd が M3, 3rd と 5th が m3 です。Root と 5th は P5。M3 の上に m3 が乗っかる。C だけで CM とか C Maj と書かないのは、音楽記号の悪しき伝統です。minor に「m」と入れているんだから、何も入っていないのは Major だとわかるだろ、という理屈。

Dm、Em、Am は minor Triad です。Major Triad とは逆で、m3 の上に M3 が乗っかる

残る Bm(♭5) には少し説明が必要です。まず読み方。B minor flat five。正式には Five ではなく 5th なんでしょうが、5th って言っている人を見たことありません。このコードだけ半音を2回またぎます。そうすると、Root と 5th が P5 ではなく、−5 (Tritone) になります。Bm だけだと、m3 の上に M3 が乗っかる。Bm (♭5) になると、m3 の上に m3 が乗っかる。

書き方ですが、♭5 であって −5 とは書きません (とも言い切れない)。音程ではなくコードネームになると、♭と ♯ で書くのが慣行です。Bm (♭5) と書きましたが、これは四和音の Bm7 (♭5) と統一感を出すためで、普通は Bdim と書くんだと思います。m3 の上に m3 が乗っかるコードを diminished Chord と言います。三和音なので、diminished Triad (減三和音)。いろいろコードがある中で一番暗い感じのするコード。Diatonic Chord の中で結構のけ者にされる可哀想なコードなんですが、特有の存在感があります。

ここからは四和音。三和音に更に 3度堆積した Diatonic Chord。しつこく言いますが、 C Major Key だと白鍵だけでできているコードです。まず上の五線譜通りを聴いてみます? 五線譜より 1 Octave 低くしました。

この内 CM7, FM7, G7 を主要三和音と言います。CM7 が主役の水戸黄門。G7 と FM7 が助さんと格さんです。

✔️ CM7

Root と M7 (Major 7th) の音程は M7 です。当たり前と言えば当たり前。「06.1 コード構成音とコードネーム」でも書きましたが、敢えて M7 と「M」を入れるのは、M7 が 7th の王道ではないからです。単に 7th と書いたらそれは  minor 7th のことです。何でそうなるのか? 7th の王道が G7 に代表される m7th だからです。

どんな感じのコードに聞こえます? 個人的には、FM7 ともどもすごく好きなコードです。このコードの特徴は、C を上に持っていくと B と C が半音で重なることです。音楽教室や小学校の音楽の授業で半音のぶつかりは汚いと習って来て、音を聴いて確かに汚いと思って来た人にはこの半音という言葉は「汚い」を連想させます。なので、B と C のぶつかりには変なことが起こっているという感じがすると思います。確かに B と C だけ鳴らしたらそうですが、CM7 というコードにすると、あくまで私の感じですが、B の響きが「おしゃれ」「淡い」「切ない」に変わります。学校の先生は M7 コードを転回する時は、Root と M7 が一番上に来ない方が良い。中で挟んだ方が良いと言っていました。私もそう思います。

✔️ Dm7

良く使うコードです。特に、Dm7 ⇨ G7 ⇨ CM7 という流れで。これ II – V (Two Five) とか II – V – I (Two Five One) と呼ばれる。II は Dm7。C Major Scale の 2度だから。曲の区切りや終止で使われるコード進行。5度 (P5) 下行進行 (強進行) の連続。5度下行は強進行と呼ばれ、シメに向かうコード進行 (Chord Progression) の定番です。定番なので逆に使いたくないという人も多いと思いますが。

✔️ Em7

日本人が好きなコード。郷愁とか哀愁とかを感じさせます (あくまで個人の感想です)。 コードの王道進行と呼ばれる FM7 ⇨ G7 ⇨ Em7 ⇨ Am7 で肝になるコードです。王道進行を使った曲は本当にいっぱいありますが、一つ上げろと言われたら「いとしのエリー」のサビ頭でしょうか?音を出したいんですが、著作権に引っ掛かってしまうので、清く正しく生きている私はやりません。コードだけならすので頭の中で歌ってみてください。日本人には響くのに、クラシックの和声学では日陰者のコードです。

注: 下のコードは FM7 から始まっています。確かめたら「いとしのエリー」の始まりは Dm7でした。ベースが D音を鳴らしていました。同じ SD なので No Harm としておきます。

✔️ FM7

主要三和音の一つ。これも CM7 と同じでいいですね。 FM7 は主役の水戸黄門の脇を固める格さんクラスの主要三和音の一つですが、実際には Dm7 に押され気味だと感じます。ただ、Dm7 にはない暖かみのある明るくておしゃれな感じが私は大好きです。

✔️ G7

これも主要三和音の一つ。Triad の G では普通の Major Chord と同じ構造 (M3 の上に m3) でしたが、G7 になると Diatonic Chord の中で唯一の構造を持ちます。Root と 3rd が M3ですが、それ以外はすべて m3 です。結果、G7 は Tritone を持つ唯一のコードになります。G7 という Dominant が出たら、普通次は Tonic です。G7 ⇨ CM7 もあるし、王道進行のような G7 ⇨ Em7 もあります。 G7 ⇨ Am7 もあります。水戸黄門の脇を固める助さん。格さんより御老公にすり寄りたい気持ちが強い。ただ、G7 ⇨ CM7 というベタベタな進行を避けたい人も多くて、もっとあとでやりますが、F on G を使うことも多いです。今はスルーしておいてください。

✔️ Am7

和声学で Em7 を日陰者にした西欧の人が Tonic として好むコードのようです。個人的には、Em7 よりも手堅さや安定感を感じます。一方で華がない。Relative minor の Am Key では一度で主役です。

✔️ Bm7(♭5)

Half Diminish とも呼ばれます。Non Diatonic Chord にdiminished Chord があります。dim7th だとすべての音程が m3 になり、それだけを聴くとおぞましい感じがしますが、Bm7(♭5) は 5th と 7th の音程が M3 になり、dim7th より少しおぞましさが軽くなります。なので Half Diminish。和声学では G7 の Spin off のような扱いでまともにコードとしては扱ってもらっていません。Bm (♭5) と同様 Diatonic Chord の中で結構のけ者にされる可哀想なコード。個人的には♭5 の響きは好きです。

コードの基本中の基本が長調の Diatonic Chord です。コード構成音の音程をよく見てください。

This page originally written on 2020.12.31, revised on 2021.09.14

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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