07.2 Natural minor Chord の Tension
しつこくなりますが minor Scale は Am ではなく Cm でやってください
Tension を忘れてしまった方は、「06.5 Tensionとは」をみてください。取れる Tension とは、
- Scale 音
- Chord Tone と 9th
- F音以外の Tritone 構成音
- G7 のみ全ての Altered Tension
上は Major Key の場合ですが、Natural minor Key でも同じです。ただ、Scale音には白鍵ではなく、黒鍵が3つ入ります。ここ意外に大事です。Diatonic は Natural minor Scale の音です。Tension を考える時、何気に Major Scale を頭に置いてしまいますが (少なくとも私の場合)、Natural minor の Tension は Natural minor Scale を置かないといけません。
✔️ Cm7
青がコードトーン。赤が Tension。❌印は取れない Tension です。♭13th は 5th から見ると、音程が♭9th (m9 = 短9度) になるので、Tension にはなりません。この♭13th が Cm7 というコードの Avoid Note になります。ざっくり言うと、Major Chord は 9th と 13th が取れる Tension になりますが、minor Chord は 9th と 11th が取れる Tension になります。この理屈は簡単で、minor Chord は 3rd が minor 3rd になる、つまり鍵盤の左に半音ずれるので 11th が ♭9th を作らない。また、Natural minor Scale では 13th は Diatonic ではなく、♭13thが Diatonic になるので、5th と ♭9th を作ってしまうと言うことです。
✔️ Dm7 (♭5)
Dm7 (♭5) が取れる Tension は 11th と ♭13th で、Avoid Note は ♭9th です。m7 (♭5) コードは常に 11th と♭13th が取れる Tension です。
✔️ E♭M7
E♭M7 は 9th と 13th が取れる Tension。11th は Avoid Note。Major Chord はこのパターンです。
✔️ Fm7
スペースの関係で、コードトーンと Tension を同じ Octave に置いてしまいました。9thと11th は取れる Tension です。ただ、私のいた学校では 13th は Avoid Note でした。♭9th を作っていないのに。理由は minor 3rd である A♭と Tritone (増4度) を作ってしまうから。これって C Major Scale の Dm7 と同じパターンです。だって、Major Scale の 2番目のコード Dm7 は minor Scale の 4番目のコード Fm7 と同じ境遇なんですから。
C Major Scale のDm7 でもやりましたが、なぜ Tritone はダメか?Tritone が鳴ると、Subdominant なのに Dominant 感が強く出てしまうと言うのが答えです。Dominant 感がでた後に、更に G7 というモロ Dominant につなぐのは心地が悪い。一方、「コード理論大全」は 13th も Available Tension として扱っています。
このサイトは、13th Available Tension を支持します。その根拠は、
- C Major Scale の Dm7 は Tension Note と作る Tritone が F音とB音でした。つまり、G7 の Tritone と同じ音。Fm7 の Tension Note が作る Tritone は A♭音と D音で、G7 のそれとは違います。
- Fm6 というコードが存在する。6th = 13th です。ということは 13th がコード構成音になっているということです。
- Fm6 は 6th を Root に持っていくと Dm7 (♭5) になり、 G7 に進行することで、定番の minor II – V になる。
一つ聴いてください。「大きな古時計」。ネットで見たら、著作権は切れているので使えます。オシャレにコードを当てたつもりです。まだやっていないコードがあるのでそれはスルーしてください。このコード進行のミソは、Root が Chromatic (半音) に下行していくところです。
青枠が Fm6 です。6th = 13th ですから、Fm add13th注 と言い換えられます(普通は言いませんが)。13th が Avoid Note かどうかですが、聴いた感じ全くおかしくないですね、というか 13th (D音) がメロになっている。
注: add という言い方は、7th がないのに Tension Note があるという場合に使います。Fm7 ではなく Fm という Triad の上に 13th が乗っかる。Dm という Triad の上に 7th なしで 9th が乗っかると Dm add 9 です。
✔️ Gm7
使える Tensionは 11th だけ。♭9th と ♭13th が Avoid Note。
✔️ A♭M7
9th, ♯11th, 13th すべてが Available Tension。 Avoid Note はありません。
✔️ B♭7
9th と 13th が Available Tension。11th は Avoid Note。
まとめておきます。
Diatomic Chord | 取れる Tension | ||
Cm7 | 9th | 11th | |
Dm7 (♭5) | 11th | ♭13th | |
E♭M7 | 9th | 13th | |
Fm7 | 9th | 11th | 13th |
Gm7 | 11th | ||
A♭M7 | 9th | ♯11th | 13th |
B♭7 | 9th | 13th |
Natural minor は黒鍵が 3つも入って面倒ですが、慣れることが大切です
This page originally written on 2021.01.23, revised on 2021.10.13
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