08.1 Major Key の二次 Dominant

初めて出てきた Non Diatonic Chord です

今までやって来たのは全て調性内のコードです。英語では Diatonic Chord。コードを分類すると、一番大きな分類が Diatonic Chord or Non Diatonic Chord です。二次 Dominant はこのサイトが初めて入る調性外のコードです。何故、これが言えるか? Chord Tone に♯とか♭の臨時記号が入るからです。C Major Scale は白鍵だけでできています。臨時記号が Chord Tone (Tension ではなく) に出て来たら Non Diatonic。

何故二次 Dominant は成立するのか?これは何と言っても最強の進行である Dominant Motion のおかげでしょう。「06.4 コードの機能」でも書きましたが、Dominant Motion と言うと、Root の 5度 (P5) 下行進行だけを指す場合と、7th Chord の Tritone の解決も含める場合と 2通りあると思いますが、ここでは 7th Chord が P5 下のコードに進行・解決することを Dominant Motion と呼ぶことにします。つまりは、5度下行と Tritone の解決の両方。 

二次 Dominant が成立するのは、Diatonic Chord の内、Dm7、Em7、FM7、G7、Am7 の5つのコードです。CM7には成立しません。理由は明らかですよね。主役に二次なんてありえません。もう一つ Bm7 (♭5) にも成立しません。この理由は少し厄介で、「コード理論大全」によれば、調性外コードを取り込むには、二次 Dominant 7th コードの Root が Diatonic (白鍵) でないと調性感が崩れるから。Bm7 (♭5) の P5 上の 7th コードは F♯7 で、白鍵ではありません。それどころか 4つある音の内 3つが黒鍵です。何とかおかしくない感じにならないか Keyboard を触ってみましたが、少なくとも私の力では無理なようです。また、ポップスの理論もクラシックの和声学も両方 Bm7 (♭5) をのけ者にしています。

二次 Dominant は以下5つの 7th コードのことです。

  • A7 ⇨ Dm7
  • B7 ⇨ Em7
  • C7 ⇨ FM7
  • D7 ⇨ G7
  • E7 ⇨ Am7

どんな感じか聴いてみます? 超適当に作った Phrase です。いわゆる 1625 のコード進行。本当はコードなので、度数表示する時は I – VI – II – V と書きますが、かえって読みにくいので 1625。これすごく良くあるド定番の進行です。Am7 から CM7 まで全部 5度 (P5)下行進行 (強進行) です。

まず、全て Diatonic Chord。音は Octave 上げています。

今度は、Diatonic の Am7 を 二次 Dominant の A7 に変えたもの。

どうです? 雰囲気変わりました?「少ししか変わらない」。ではこれはどうですか?

今度は変わりましたよね。違いわかります?「メロに C♯ が入って来ている」。そのとおりです。この調性外の音をコードだけではなくメロにも入れると二次 Dominant 感が相当増して来ます。

私は二次 Dominant を使う時に 2つやり方があると思っていて、一つはメロを調性音にして、コードで調整外の音を含む二次 Dominant を使うやり方、もう一つはメロにも調性外の音を使うやり方。ただ、歌ものだとメロに調性外の音を使うかは思案のしどころです。学校の先生も言っていましたが、音程感がしっかりしている人でないと楽譜通りの Pitch が出ない。二次 Dominant でおしゃれにしても、歌ってもらえないと意味ないですから。

まず二次 Dominant そのものについて書きました

This page originally written on 2021.02.15, revised on 2021.11.22

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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