11.5 その他のコード
その他のコードの章の中のその他のコードです。まず一覧表を見てください。
コード | 根拠 | 機能 | Chord Scale | 取れる Tension |
Subdominant | ||||
F7 | Blues Feeling | SD | Lyd♭7・Mixo | 9, ♯ 11, 13 |
A♭7 | Blues Feeling | SDm | Lyd♭7 | 9, ♯11, 13 |
B7 | Blues Feeling | SD’ | Ph♯3, Alt | ♭9, ♯9, ♯11, ♭13 |
F♯m7 (♭5) | Blues Feeling | SD’ | Loc | 11, ♭13 |
Tonic | ||||
C7 | Blues Feeling | T | Lyd♭7・Mixo | 9, ♯11, 13 |
Cm7 | Modal Change | Tm | Nm, Dor | 9, 11 |
E♭M7 | Modal Change | Tm | Ion, Lyd | 9, ♯11, 13 |
Cdim7 | Tonic Diminish | T. dim | Diminish | 9, M7 |
B7 | Tonic Diminish | T. dim’ | Ph♯3, Alt | ♭9, ♯9, ♯11, ♭13 |
Comb Dim | ♭9, ♯9, ♯11, 13 | |||
F♯m7 (♭5) | Tonic Diminish | T. dim’ | Loc, Loc♯2 | 9, 11, ♭13 |
わかります? わからないですよね。私も分かって書いている訳ではありません。上にあげたコードは学校の2年目でコードの種類はほとんどやった後に最後コードの種類について締めるときに教えてもらいました。
まず注書きです。
- コード : 今まで出て来なかったコードです。
- 根拠 : コードがどこから来たのか書いています。
- 機能 : コードの機能です。「’」(Dash) がついているのは代理 (Substitute) と言う意味。D♭7 が G7 の代理だったように、たとえば Subdominant で出てくる F♯m7 (♭5) と B7 は FM7 や Dm7 の代理コードと言うことです。T.dim は Tonic Diminish。T. dim’ は Tonic Diminish の代理です。
- Chord Scale : すいません。このページは 13章の Chord Scale を書いた後で追加したので Chord Scale を書いてしまいました。
- 取れる Tension : そのままです。
このページは私の力ではちゃんと説明できません。今から書くのは体系的ではない説明です。
根拠に Blues Feeling と書いてあるコードが5つあります。これ学校の理論の授業で習ったとおりなんですが、その時私が思ったこと。理論の授業なのに Feeling はないだろう。ただ、あれから数年経って確かに Feeling と言うしかないんだろうなとは思っています。皆さん Blues 知っています? 私の守備範囲外なので、浅くしか書けません。学校の教科書によれば、「アフリカ由来の5音音階旋律+ヨーロッパ音楽の和音という二重構造が醸し出す特別な色彩、及びその様式」とあります。
Blues Scale です。♭がついている音を Blue Note と言います。「5音音階と言っているのに6音あるのはおかしい」。確かに一番右のドは除くと6音あります。これは元々なかった G♭音が F音とG音のつなぎとして現れたものです。もっと言えば♭がついている 3音は平均律から Pitch がずれています。
単純にこの Scale にコードを三度堆積で乗せようとすると上手く行きません。なので Blues のコードは 7th ばっかり。7th ならほとんどの音を取り込めるので。元に戻ると、Blues Feeling と言うしかないのは、F7 でも B7 でも Scale と Match しないからです。アフリカの旋律+ヨーロッパの和音というのはこれを言っています、と私は理解しています。
Subdominant
✔️ F7・B7
FM7 が「Blues Feeling」で 変化したもの。F7 の 7th 音は Blue Note になるので Bluesy (ブルースっぽい) になります。F7 の裏コードが B7。
✔️ A♭7
A♭M7 が変化したもの。7th音が Blue Noteです。
✔️ F♯m7 (♭5)
F7 の裏コードの B7 が 5度上のF♯m7 (♭5) を引き込んで F♯m7 (♭5) – B7 という進行になったもの。これは学校で教わったことですが、F♯m7 (♭5) は D7(9) の Root 省略形の方がわかりやすいと思っています。D7(9) は和声学では Root 省略形でよく使います。 Fm7 (♭5) と同じ構成音。D7(9) は Pops の理論では Dominant ですが、和声学は SD。単純に SD で Dm7 や FM7 でしっくり来ない時の候補だと思っておいて Okay だと思います。
Tonic
✔️ C7
「Blues Feeling」。7th が Blue Note。
✔️ Cm7・E♭M7
ここからは Blues Feeling ではありません。Natural minor から来た Modal Interchange(旋法交換) Chord です。和声学では Tonic、特に主和音の Cm7 が出てきたらもはや Modal Interchange ではなく、C Natural minor への転調だとみなしますが、Pops 理論は懐が深いと言うか、てきとうと言うか Modal Interchange に加えています。
✔️ Cdim7
Tonic Diminish です。CM7 に進んで安定します。解決ではなく安定と言うのは、Cdim7 が Dominant ではなく Tonic だからです。ただ、Diminish Chord は 2組の Tritone でできているからそれが解消されるとどうしても解決したと感じてしまいます。Cdim7 – C – Cdim7 – C です。
✔️ F♯m7(♭5)・B7
これは上で書いた Cdim7 – CM7 進行の Cdim7 の代理として F♯m7(♭5) – B7 が登場するパターン。Cdim7 という Tonic Diminish の代理なので機能はやはり Tonic Diminish。F♯m7(♭5) – B7 は SD でも登場しましたが、こちらは Tonic です。しつこくなりますが。F♯m7(♭5) – B7 – C です。私は正直 B7 – C にしっくり来ない感を持つんですが。
これでコードの種類はほとんど出尽くしかなと思っています。あ、そうそう。言い忘れるところでした。このページで書いたコードはすべて Non Diatonic Chord です。コードはまず Diatonic Chord と Non Diatonic Chord に大別されます。ここはしっかり押さえておいてください。
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