17.4 Pivot = Diatonic Chord
典型的な Pivot 転調 (Pivot Modulation) です。2つの Key に共通するコードを使って転調するやり方。出す例が C の Key から F への転調なので C と F の Key のコードを並べてみます。C と F だと調号が一つしか違いません。C は調号なし。F は♭一つ。なので、近親調への転調になります。
Key | IM7 | IIm7 | IIIm7 | IVM7 | V7 | VIm7 | VIIm7(♭5) |
C | CM7 | Dm7 | Em7 | FM7 | G7 | Am7 | Bm7(♭5) |
F | FM7 | Gm7 | Am7 | B♭M7 | C7 | Dm7 | Em7(♭5) |
ドンピシャ同じコードが 2組あります。FM7 を Pivot にして C から F に転調します。FM7 は C の Key にいる時は IV度のコードで機能は Subdominant です。それが F に転調した後は I 度で機能は Tonic になります。F を直接 Pivot Chord として鳴らすやり方ももちろんありますが、V – I にするやり方があります。 C7 – FM7。更に II – V – I にもできます。Gm7 – C7 – FM7。
では Carole King の 「It’s Too Late」です。古い曲ですが今でも生き残っている名曲なので知っていますよね。ちょっと恥ずかしいことを言うと、この曲が転調していることに長らく気づいていませんでした。何かのきっかけでコードを当てたときに初めて転調していることに気がつきました。
https://www.youtube.com/watch?v=VkKxmnrRVHo
どこで転調しているかわかります? 00:19 で Aメロからサビに入っていきますが、ここで C から F に転調しています。この曲コード進行は超単純です。 Aメロは Am7 と D7 の繰り返しです。Aメロ最後に 「One of us is changing or maybe we’ve just stop trying」ときてサビの「And it’s too late baby now it’s too late」に入ります。
- Am7 One of us is changing or
- Gm7 Maybe we’ve
- C7 just stop
- FM7 trying And
- B♭M7 it’s too late baby now
- FM7 it’s too late
Am7 までは C の Key です。正確に言えば Key は Am ですが、Am と C は Diatonic Chord が同じなので C で書いていきます。次の Gm7 – C7 – FM7 が転調部分です。この進行どっかで見たことありますよね。FM7 に向かう 2次 Dominant + Connected II です。これ言ってみれば当たり前ですよね。だって Diatonic Chord を Pivot にするんですから、そこにハマる II – V は必然的に 2次 Dominant になります。C の Key にとっては馴染みある 2次 Dominant の動き。F の Key にとっては Main Chord に向かう II – V – I。 Pivot 転調のお手本です。
FM7 を Pivot に転調してその次出てくる B♭M7 は F の Key の IV度M7、Subdominant です。2次 Dominant ですぐに元に戻るかと思ったら、そのまま転調してしまったと言うパターン。
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