17.6 Parallel Key への転調

これは簡単なのでサラッと書きます。おさらいですが、Parallel Key とは日本語で同主調です。C Major Key から見て Cm Key が同主短調 (Parallel minor)。Cm Key から見て C Major Key が同主長調 (Parallel Major) です。

Parallel Key なので相性も良く転調も Smooth です。皆さん聴いたことがあると思います。Cm Keyだと曲の切れ目、例えば Bメロの終わりに Cm が入るところを C Major Chord に置き換え、その後は C Major Key で走る曲。

歌本から例を見つけました。米津さんのパプリカです。サビに入る 00:50 の手前で転調します。

https://www.youtube.com/watch?v=T0valuAksuo

Bメロ終わりのコードは F♯m のはずが、F♯ Major を置いて F♯ Major Key に転調してます。F♯とか言われると嫌ですよね。F♯m は ♯ 3つですが、F♯ Major は ♯ が6つになってしまうので見るだけで嫌気がさします。C Major Key に直して書きます。

まず Aメロは C Major Key です。それが Bメロになると Relative minor の Am Key に転調します。Bメロ終わりは Am Key なのでコードは Am になるはずですが、これを Am にせず Parallel Major の A Major を置いています。これでサビが A Major Key になります。お手軽で簡単ですよね。

ただ、私が持つ感じだけなんですが、ダサくなりやすい転調です。昔の方がよく聴いたような気がします。15分間曲が思いつくか頑張ってみましたが、ヒデとロザンナの曲ぐらいしか思い出しません。さすがにヒデロザは古すぎますね。ともあれ、時代の最先端の米津さんも使う転調なので、自分の引き出しの中に入れておいて損はないと思います。

サラッと終わってしまったので余談を一つ。上でパプリカの Aメロは C Major Key で Bメロは Am Key だと書きました。E7 – Am という進行が出てくれば Am Key だと思います? もう一つ可能性はあって、 C Major Key  にいるんだけど Am に向かう 2次 Dominant の E7 が Am に進行したとも見れます。ではどこを見たら転調 or 2次 Dominant かわかるのか? Aメロ or Bメロ or サビが Am で終わっていたら転調と見て良いと思います。

パプリカはサビで A Major に転調 (今度は A Major を C Major Key に直すと) した後、E7 – Am  の動きが出てきます。サビの「パプリカ花が咲いたら晴れた空にたねを撒こう」の青字が E7 – Am です。この前後のコードを見ると、F – C – E7 – Am – F – G – C です。C で終わっているのでこの E7 – Am は 2次 Dominant になります。

「そんなことわかってる」。そうですね。当たり前ですね。ただ曲を聴いているとこれ Major or minor Key のどっちだろうと迷うことありません? まあ、C Major でも Am でも出てくるコードは同じなのであんまり気にする必要はありませんが。本当に余談でした。

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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