18.6 Diatonic Approach
このページで書くのは、メロが Chord Tone 以外の場合に音をどう重ねるか、そのやり方の一つである Diatonic Approach です。Diatonic と言う言葉は、C Major Key で言う白鍵のことです。しつこく書いていますが、Scale 音のことです。Scale 音を Root に持って他の Scale 音を 3度重ねしてできるのが Diatonic Chord。この Approach は Diatonic Chord を使うので Diatonic Approach と呼ばれます。
チューリップです。Ex-01 でも使いました。コードは Triad にしています。ベース代わりに下の方で Root を鳴らしていますが、下のピアノ譜には出していません。言ってみれば一番ベタなチューリップです。
青枠が Approach Note です。「勝手に決めるな」。いえいえ、これを Approach Note と見たのには理由があります。
- Chord Tone ではない。
- 弱拍で鳴っている。
- 音価 (音の長さ) が長いものではない。
数学のように数式でクッキリスッキリできる訳ではありませんが。上の理由の中で一番もやっとするのが弱拍だと思います。普通は 4/4 拍子なら 1拍目と 3拍目が強拍になります。3/4 拍子なら 1拍目。ただ、世の中いろんな音楽が溢れていて、人の裏をかくようなリズムの取り方で独特のノリを出す曲もいっぱいあります。「4/4 拍子なら 1拍目と 3拍目」は基本形で、曲毎に見ていく必要があります。数式のようにはいきません。
次は、コードを 4声にして 4WCL (4 Way Close Voicing = 4声密集配置) にしたものです。青枠はメロが D音です。CM7 の 9th。なのでメロが Tension Note の場合の Voicing を使っています。メロ音のすぐ下に来る Chord Tone を消して他の Chord Tone を置きます。
聴いて下さい。譜面より Octave 下げて鳴らしています。聴いていて変な感じは全くありません。
ちなみに、メロが C音のところは Triad にしていますが、理由はメロ音の半音下には音を置かないと私の学校では教えてもらったからです。C音のすぐ下は B音になりますが、B音は C音の半音下なので省きました。他の解決策としては CM7 を C6 に変える、つまり B音を A音に変えるやり方があります。
さて、青枠のメロの D音ですが、Tension Note であると同時に Approach Note でもあります。18.3 メロの音の仕分けで書いた通り、Tension Note と Approach Note は A or B の関係であると同時に A and B の関係にもなります。それがこのケース。D音は Tension Note 且つ Approach Note。なので、Tension Note の Voicing の他に Approach Note としての Voicing も使えます。
その一つが Diatonic Approach。こうなります。
わかりました? 青枠が Dm7 になっています。CM7 が支配している場所に Dm7 がしれっと入って来ています。これが Diatonic Approach です。ちゃんと書くと、
- 支配しているコード (Control Chord) が CM7、Dm7、Em7、FM7 の時に使える。
- Control Chord が Tonic (CM7・Em7) なら Subdominant Chord (Dm7・FM7) が入れられる。Control Chord が SD なら Tonic Chord が入れられる。
- Tonic – SD – Tonic or SD – Tonic -SD の進行になる。
この Diatonic Approach はメロが Tension ではない Approach Note (つまりは Avoid Note) の場合も使えます。
カエルの歌です。CM7 の Avoid Note は F音ですが、ここを F コードに変えています。
聴いてみて下さい。全然おかしくないですよね。
F と FM7 を Dm7 に代えても Okay です。Dm7 は FM7 と同じくコードの機能が SD (Subdominant) なので。
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