Ex-32 「Chelsea Morning」は Mixolydian?
Joni Mitchell の日本語名「チェルシーの朝」です。「Chelsea Morning」なんだから「チェルシーの朝」以外の日本語タイトルはありえませんが、昔は洋楽のタイトル付けがいい加減で「Hitchin’ a Ride」に「夜明けのヒッチハイク」と英語タイトルにも歌詞にもない「夜明け」をつけたり、ひどいのになると「Leaving it all behind」に「愛する未来に歌おう」とはちゃめちゃでした。
若い方はこの曲ご存知ないかもしれません。Joni Mitchell で一番有名な曲は「The Circle Game」(サークルゲーム) だと思いますが私にとってはこれがベスト曲です。
Joni Mitchell はこの曲をアコギの Strum (ジャカジャカ) で弾いていますが、コード使いが独特です。弦の Tuning も Open Tuning (変則 Tuning) にしています。
https://www.youtube.com/watch?v=nWDyA4S-geg
原曲 Key は E (E Mixolydian) ですが、C (C Mixolydian) に変えます。正直に言っておくとコードはネットを見ました。全体の雰囲気は sus 系のコードが多いなとは思うんですが、私の耳ではドンピシャではわかりませんでした。
譜面は耳コピなので参考程度に。見ていただくと B音がなく全て B♭音です。と言うことで Mixolydian っぽい。曲の雰囲気も Mixo っぽい。sus コードで始まるところも Mixo っぽい。
Mixo は Church Mode の5番目。つまり、G音から始めて白鍵を上がって行けば Mixo になります。と言うことは C Mixo を G Mixo に直すと♭が消えるはずです。G Mixo にしたのが下の譜面。見事に♭が消えています。
ここでこの曲全部が Mixo かどうか見て行きたいんですが、その前にコードの解説です。C の Key の譜面を見てください。
sus2 コードはこのサイトでは初登場です。3rd の E音を M2 下げて D音にしたもの。sus4 コードと同じく、コードの性格と言うか彩りを決めるE音が鳴らないので良く言うとベタッとしない、悪く言うと無味乾燥感のあるコードです。
始めて見ました。理屈としては Csus4 に D音が足されたコード。上の C7sus2 と同じく、3rd の E音がないので乾いた感じがするコードです。なぜ Csus4(9) と書かないのか?個人的にはこっちの方が良いと思います。同じようにCsus4 add A ではなく Csus4(13)。
✔️ 1〜4小節目: ここはどう見ても Mixo です。B♭音がバシバシ出てきます。C7sus2ですが、モードでは 7th コードは使わず、7th sus4 にする (C7sus4) or Triad (C) にするかどちらかです。この場合、sus4 の代わりに sus2 を使ったと考えるのが普通だと思います。どちらも E音を鳴らさないように逃した音なので sus4 だけでなく sus2 もありかなと思います。
1・2 小節目で C のコードを使う選択はありません。メロに B♭音が満載なのでメロと合わせると C7 を作ってしまう。3小節目は C ですが、メロにB♭音は入っていません。
✔️ 6 小節目の CM7: 問題はこれです。 CM7 の M7 は Natural B 音です。C Mixo に B音はありません。B♭音です。これをどう整理するのか? 私の答えは 5〜15小節は Mixo ではなくC Major Scale (or C Ionian)。16小節目以降は C Mixo に戻ります。
✔️ 18・19小節目の Csus4/E♭ – Csus4/D – C: これがわかりません。特に Root の E♭音の上に Csus4 が乗っかっているコードの理屈。このコードは下から E♭・C・F・G音になります。唯一考えついたのは、これを C・E♭・G・F にすると Cm add11。その後 Csus4/D が来ますが、これは G7 sus4 の展開形と同じ構成音です。「だからなんなんだ」。確かに納得いかないですよね。
以上ですが、締めがない感じで終わってしまいました。
ちなみに、このコード使いを聴いているとなぜか五輪真弓さんの「落日のテーマ」を思い出します。乾いた感じが似ているからでしょう。
コメントを残す