Ex-56 「瞳を閉じて」の E7
平井堅さんではなく荒井由美さんの「瞳を閉じて」です。原曲 Key F ですが、例によって C で表示します。メロは耳コピなので参考程度。楽譜は端折っています。
https://www.youtube.com/watch?v=vt6Y9SL0Hm8
この曲も荒井由美さんの他の曲と同じようにメロもコードも Diatonic (白鍵だけ) ばっかりです。簡単なコードばっかりなのにカッコいい。では曲の中で一つだけある Non Diatonic Chord (黒鍵が混じるコード)はどれでしょう?
青枠をしたので当たり前と言ったらそうなんですが、この曲唯一の Non Diatonic Chord が E7 です。E7 は 3rd が G♯音と黒鍵になるので Diatonic ではありません。
この E7 は2つ見方があって、一つは Am という Diatonic に向かう 2次 Dominant、もう一つは E7 で C の Key から Am Key に転調して 6小節目までは Am で 7小節目で Am を Pivot として C の Key に戻るという見方。C と Am Key は Relative Key (平行調) なので Diatonic Chord は全く同じです。
なので、別にどっちでもいいんですが、この場合は 2次 Dominant でしょう。理由は転調だと考えても転調しているのは 5・6小節目の 2小節だけで転調と呼べるほど転調している時間が長くないから。つまりは転調と呼べるほど大袈裟なものではないと見ます。同意いただけますか?
あと3つこの曲で書いておきたいことがあります。
✔️ C – Dm7 – Em7 – F (1・2 小節目)
このコード進行って結構あります。Triad にすると C – Dm – Em – F。つまりは C から Diatonic Chord を順番に上がっていくだけ。定番進行と言ってもよいと思います。定番と言ってもこの曲のようにカッコよく聴かせられるかは別問題ですが。
✔️ Am – Am/G – FM7 – Em7 (5・6 小節目)
ベースラインが Diatonic で降りていく進行。これもよくあります。
✔️ 6 小節目の Em7
これ聴いた感じ Tonic に聴こえます? Pops のコード理論では Em7 は Tonic です。ただ、「Ex-43 Em は2つの顔を持つ」で書いた通り、和声学は Em – Am と進む場合は Dominant としています。この Em7 は聴いた感じでは和声学に軍配を上げたいと思うのですがどうでしょう?
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