06.2 ドミソ・ドファラ・シレソの弊害

譜面の通りに弾けばよいと言う教え方は違うと思います

小学校の音楽の時間で覚えたのか、もっと小さい時に音楽教室で覚えたのか、とにかく和音と言えばこの 3つですよね。覚える、と言うことは暗記すると言うことです。つまりは何だかわからないけど、頭にいれます。

一番左のドミソですが、これはドが下にあり、ドから 3度で積まれているので基本形 (Root Position) と言います。真ん中のドファラはファラドが Root Position。ファラドのファを上に持っていき、今度は下に来たラをまた上に持って行くと第二転回形 (2nd Inversion)。シレソの Root Position はソシレ。Root のソを上に持って行くとシレソ。これが第一転回形 (1st Inversion)

Triad はドミソを例に出すと、ド とミは  3度、ミとソも 3度。つまり 3度+3度。この3度+3度の Root Position から転回すると、第一展開形なら下から 3度+4度、第二展開形なら 4度+3度 ができます。これが話を難しくします。3度と長短を書かずに言ったのは、長短両方の 3度があるから。完全4度と言い切らなかったのは、シレファの Triad はファとシが Tritone (増4度) になるからです。

子供心に和音っていうのは音の単純な組み合わせではないんだと理解します。ただ実は単純で、白鍵を一個飛ばし (3度) で押さえれば、いろんな和音ができる。押さえた和音が明るいものもあれば暗いものもあることに気づくはずです。これに気がつけば、楽譜通りに弾くだけではなく、創作と言う自分で新しいものを作れるという世界に入って行けるはずです。ドミソ・ドファラ・シレソはそれを妨害している。とにかく楽譜通りに弾けばいいんだと言っているような気がします。

私の想像ですが、ドミソ・ドファラ・シレソで教える理由は 2つだと思います。

✔️ ドミソ・ファラド・ソシレで教えると、子供は歌えない。下のドと上のレは 9度 (M9) あります。小さい子供は中々 9度は歌えない。大人になっても、ストレスなく歌える範囲は 9度と言われています。あるアイドルさん用の曲は Octave (8度) 以内でないとダメだと学校の先生が言っていました。子供に 9度はちょっときつい。

✔️ 和声学上の問題。和声学では和音の中の 2つの音が P5 で進行するのを禁じています。理由は P5 は協和度が高いので同じ音を P5でつなぐと逆に和音感が出ない。ドミソ・ファラド・ソシレだと連続して弾いた時にドとソ、ファとド 、ソとレが P5 – P5 – P5 でつながってしまう。

大人の親切心が子供をダメにする。

このページは今でもドミソ・ドファラ・シレソと教わっているという前提で書きましたが、もし違うんなら昔はこうだったということで読んでください。

白鍵を一つ飛ばしに押さえれば和音になると教えないと

This page originally written on 2020.12.31, revised on 2021.09.11

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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