17.5 Pivot = Subdominant minor

個人的には、Diatonic Chord を Pivot にする転調より好きでよく使います。Subdominant minor (SDm) は Modal Interchange Chord (借用コード)で Parallel minor (同主単調)、つまりは Cm Scale から借りてくる Dm7(♭5)、Fm7、A♭M7、B♭7 と C Phrygian から借りて来る D♭M7 のことです。忘れてしまった方は 09. Subdominant minor Chord を見てください。

SDm Chord を Pivot にすることで、使える Pivot コードの数が増えます。私が好んで使うのは SDm Chord から E♭Major に転調するパターン。E♭は Cm Scale の Relative Major (平行長調) で簡単に転調できる割に転調感があります。E♭から C Major に戻す時も、何なら Pivot とか転調のプロセスなしで戻してもおかしくない場合が多いと思います。

2曲聴いてください。まず、尾崎亜美さん作曲で杏里さんが歌った「オリビアを聴きながら」00:43 で Aメロに入りますが、「オリビアは寂しい心を」が正にこの進行です。原曲 Key は G ですが、C に直すと Fm7 – B♭7 – E♭M7。

https://www.youtube.com/watch?v=RB1WtldzQRY

「2小節だけで転調って言うの?」転調だと思います。理由は E♭M7 に解決するから。SDm Chord は読んで字のごとしの Subdominant です。C Major という主調を邪魔せずに C Major に彩を添えます。E♭M7 という E♭ Major の主和音 (Main Chord = Tonic) が入ると II – V – I の動きで E♭M7 が主役になってしまう。助さんの活躍で悪者を懲らしめて、最後助さんが黄門様を立てずに自分が主役で終わってしまうようなものです。

次は私でも歌本に頼らず見つけた最近の曲。藤井風さんの「きらり」です。オリジナル Key は D ですが、C に直します。多分 Bメロでしょう。

https://www.youtube.com/watch?v=TcLLpZBWsck

これも Fm7 – B♭7 – E♭M7  の E♭ Key の II – V – I です。E♭への一時転調。ちなみにそのあとの「戦おうとも動機は愛がいい」までが E♭ Key で「新しい日々は」からは C Major Key に戻ります。ここの戻り方は Pivot とかの振りなしで突然戻りますが、全く変な感じはしません。C から E♭ Key への転調は行きも戻りも簡単で華やか。お薦めです。

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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