18.11 Tension Resolve

私が Voicing を良く知らないことは 「18. Voicing」で白状していますが、なので勉強するとも書きました。実際勉強中ですが、その中でやっぱりと思ったことがあるので書いておきます。それが Tension Resolve です。ネタ元からの受け売りになるのでネタ元を書くと、北川祐さんの「ビッグバンドジャズ編曲法」です。音の積み上げ方の理論はクラシック音楽では和声楽ですが、ポップスではビッグバンドの積み上げだと思っていて、アマゾンで見つけて書いました。

これを今勉強中ですが、その中に Tension Resolve と言う項目があって Tension Note がどの音につながり解決するのか、言い換えればどの音に進む運命なのかが書いてあります。

「Tension には 2度下行して Chord Tone に解決するという基本的な原則がある」

やっぱりそうだと思いました。これ和声楽と同じです。「芸大和声」の 2巻まで勉強した中で、ポップスで言う Tension が出てくるのは G7(9)、G7(♭9)、D7(9)、D7(♭9)、D7(♭5, 9) D7(♭5, ♭9) だけですが、9th・♭9th ともすべて下行限定進行音と言って 2度下行進行しないといけない音です。2巻までには他の Tension (♯9, 11, ♯11, ♭13, 13) は出てきません。

ただ、上で引用したのはあくまで「基本的な原則」です。逆に言えばこの原則を外れることもいっぱいあります。実際メロの中で Tension Note が出てきたら必ず 2度下行するかと言えばそうではありません。それに縛られたら自由にメロなんか作れません。

例を適当に作りました。聞いてください。良くわかるようにメロに Tension を使っています。

譜面左側は 9th が 2度下行して Root に繋がるパターン。右側は 9th が♭9th 経由で Root に繋がるパターンです。おかしくないですよね。と言うかベタ感さえあります。

上は 9th ですがこれは 13th です。

譜面左側は 13th が 2度下行して 5th に繋がるパターン。右側は 13th が♭13th 経由で 5th に繋がるパターンです。G7 に Tension を2つ乗せてみました。(9,13) は Natural Tension、(♭9, ♭13) は Altered Tension で Natural・Altered Tension それぞれを揃えてありますが、一方が Natural、もう一方が Altered Tension でも理論上は Okay です。ただ、同じ 9th の中で Natural 9th と Altered 9th (♭9th・♯9th) が同時になるのはダメです。11th・13th も 9th と同じです。

さて、上で「やっぱりと思った」と書きましたが、へえ〜と思ったこともあります。

「18.4 メロが Chord Tone の Voicing」でメロ以外の声部に Tension を入れ込むやり方を書きました。おさらいしておくと、

  • メロ以外の 3声を Chord Tone で埋める。
  • メロ以外に Root があったらRoot を消して代わりに 9th を入れる。
  • メロ以外に 5th があったら5th を消して代わりに 13th を入れる。

Root の代わりに 9th を入れたり、5th の代わりに 13th を入れたりと言うのは、そこで鳴っているコードが 9th や 13th を取れるのが前提です。このやり方は学校で教わったんですが、Tension Resolve の考えに沿って書くと、

  • Tension を入れる場合はその Tension が解決する音は外して Voicing する。

が正確な言い方です。Tension Note が進む先の音が Tension Note と同じタイミングで鳴っているのはおかしい。

学校の教え方は How to でした。多分先生がそこまで踏み込んでもジャガイモ畑のような生徒ではわからないだろうと思ったんでしょう。学校では 9th・♭9th・13th・♭13th の入れ方は教わりましたが、残りの ♯9th・11th・♯11th の入れ方はやりませんでした。

まとめです。

Am7 が一つだけ入っているのは、G7 が 11th を取れないからです。11th はマイナー系のコードでないと取れないですよね。見た感じで違和感のあるのは ♯9th です。A♯ から G音に増2度下行しますが、この増2度は聞いただけでイヤーな感じがします。多分理論上は Okay でも使い方が難しいんだろうと思います。

もう一つ話が違うと言われそうなのが 11th と ♯11th です。「Tension には 2度下行して Chord Tone に解決するという基本的な原則がある」と言っておきながら上行するパターンもあります。11th・♯11th は上行・下行どちらもありです。下行は「基本的な原則」なので例外もあると言うことでしょう。

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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