01.6 鍵盤配列との格闘

鍵盤です。

「見ればわかる」「当たり前すぎる」「何を言い出してるの」「おちょくってるの」。こういう反応ですよね。音楽に積極的に手を染めなくても、小中学校の授業で音楽を教わるので鍵盤は誰にでも馴染みがありますよね。もっと言えば、音楽をやるには、小さい時に始めるのが良いと親は思っているので、子供は小学校に行く前からピアノ教室に行ったり(行かされたり)して、鍵盤に触れています。

その鍵盤に対して「格闘」は大袈裟過ぎると思っていますね。以下格闘の意味をしっかり伝えられるかどうか。

✔️ コード理論は鍵盤でやるべき。ギターでやってはいけない。

これ暴論だと思います? これは世の中の常識ではなく、私の意見なので納得するかどうかは皆さん次第。ただ、今思い出しましたが、学校のセオリーの先生もできればコードは鍵盤で理解するようにと言っていた。

鍵盤では C の Key (C Major Key) で弾いていたのを、 D♭の Key (D♭Major Key)に突然変更して弾くのは大変です。私みたいなド下手には全く不可能。それを簡単だと言う人もいるでしょうが、大半の人に取っては難しいはずです。D♭だと突然♭が5つもつきます。

ピアノを長くやっているので、できるとおっしゃる方。例えばモーツアルトのトルコ行進曲は途中転調しますが、Am Key (A minor Key) で始まり、Am Key で終わります。これを半音上げて B♭m (B flat minor) で弾けと言われてすぐに弾けますか? B♭m も♭5つです。

C を D♭ Key で弾けると言う方は、 C の Keyから全部半音上げて弾けば良いのだと言う逃げ方をしていませんか? それなら、F# Key で弾けますか? ネコふんじゃったの Key。F♯は ♯ 6つで D♭のように鍵盤を一つ横にずらして弾けば良いと言う代物ではなく、全然違うところで弾く作業です。

何が言いたいかと言えば、鍵盤の場合、それぞれの Key で押さえ方が全く変わってくる。コードの押さえ方も全然変わってくるので、自分が今何の音を弾いているのかしっかり意識しないとダメだと言うことです。

一方ギターの場合どうかと言うと、C の Key から D♭の Key に変えるやり方は簡単です。カポタスト (Capotasto) を持ってきて、それを 1フレット (1st Fret) に付けるだけ。カポタストっていうのはギターの移調のための道具です。それをギターのネックの 1フレットに挟めば当然音は半音上がる。後は C の Key の場合と同じように弾けば D♭の Key で弾けてしまう。こうなると、いちいち自分が今何を押さえているかなんてことは意識しないですよね。

いやいや自分はエレキギターだから基本カポ(カポタスト)は使わないと言う方。開放弦を使わず C の Key で何かを弾いたら、それを一つ上にずらせば、D♭の Key になりますよね。

C の Key を A の Key に移調する時カポなんかを使ったら、ずっとネックの上の方にカポをつけることになり音が変わってしまうと言う方。それだったら、C の Key の他に G の Key で弾けるようにしておけば、A の Key は G の Key のすぐ上なんだから問題ないですよね。鍵盤だと12種類の Key 全部を別々に覚えないといけないのに、ギターだと2つで事足りてしまいますよね。

そうそう、鍵盤の良いところがもう一つ。どこを押さえているのか見えているので、押さえている音の位置関係がはっきり見える。m7 (=minor seventh) から m7 (♭5) に移った時、m7の時と比べて、隣り合う鍵盤との位置関係(音程)がどうなるかが良くわかる。

話がちょっと難しくなってしまいました? ごめんなさい。分からなかった方もこのサイトを読み進んでもらえばわかってもらえると思います。

「このサイトの決め事として C の Key で決め打ちすると書いてあるのに、C 以外の Key を持ち出すのは筋が違う」と言われる方。C の Key の決め打ちはその通りなんですが、 C の Key でも C の Key に属さないコードを使うことで音の色合いが増してゆくので、Key は C なんですが、コードは C の Key以外も入ってきます。

そんなわけで、Keyboardは用意してください。Steinway (Steinway & Sons、スタインウェイ)のグランドピアノが必要だとは言っていません。数千円で買える Keyboard で上等です。それも無理なら、iPhone に Default で入っている Garage Band のKeyboard, or スマホのアプリからKeyboardをダウンロードしてください。アプリには Mono (同時に鳴らせるのは1音だけ)と Poly (同時に幾つも鳴らせる)があると思うので、Poly をダウンロードしてください。「帰りの電車の暇つぶしなんだから、Keyboard なんか用意できない」と言う方。ウエブサイト作りは初めてで下手なんですが、つど Keyboard と譜面と音 (Audio) は載せるようにします。

✔️ とにかく鍵盤と向き合うしかない

こんなことはあり得ませんが、もし黒鍵が今使っている配列ではなく、白鍵全部の間に黒鍵が入っていたら、鍵盤と格闘する必要もありません。見た目鍵盤全部が同じ間隔になるので、C 以外の Key のコードを使っても弾く場所が変わるだけで、弾く手と指の形は変わりません。そうなるとコードの種類だけ (C とか)覚えておけば、それが D♭とかになっても、同じ指の形で鍵盤を右側の黒鍵に移動すればよくなります。まあ、あり得ません。かえって困ってしまうのは、どこがドなのか分からなくなります。

今使っている鍵盤はミとファの間に黒鍵がなくシとドの間にも黒鍵がありません。下の画像を見てください。

左が CM7、右が D♭M7 です。

「いきなりコードネームを出すな。わからないじゃないか」。まったくその通り。今はスルーしてもらって Okay です。

さて、何が言いたいのかというと、CM7の半音上が D♭M7 なので、CM7の各音を半音上げれば、D♭M7になります。半音上げたので D♭M7は黒鍵だらけになりそうですが、黒鍵は2つだけです。CM7はミとシの音を持っていて、それが半音上がってもミからファ、シからドになるだけ。ミとファ、シとドの間に黒鍵がないためです。

左が Dm7、右が E♭m7 です。

今度は半音上に動いた結果、全部黒鍵になっています。

今まで読んで、当たり前すぎて超くだらないと思っている方。おっしゃる通りです。そうなんですが、それぞれのコードが鍵盤上のどこを押さえているのか Visualize (可視化)できないと、なかなかコード理論は身につかないと思います。

突然話を変えます。昔はどの町にもそろばん塾というのがあり、親から行けと言われてイヤイヤ行っていた子供も多かった(私もそうだった)。そこで、そろばんを使わずに計算する暗算というのがあって、そのやり方は、頭の中にそろばんを入れて、頭の中でそろばんの玉をはじく。最初は 2桁しか出来ないのが、慣れてくると 4桁ぐらいは計算できるようになる(足し算と引き算の話です)。私は最高で 6桁出来た(こともあった)。今は 2桁の計算もスマホの計算機に頼りっきりです。

鍵盤も同じで、鍵盤を頭に入れないといけない。コードを言われた時、すぐに頭の中の鍵盤上で言われたコードを押さえてないといけない。

例えば曲を作る時、ピアノが下手な私は、左手でコードを押さえて、右でメロ (=メロディー)を弾きます。ほんとはこのやり方は全然ダメなんですが。ただ、これでコードとメロの感じをつかんでいます。もし押さえるコードを都度立ち止まって考えていたら、曲としてはブツぎれになって、このコードの次はこのコードでうまくつながるかとか分からないですよね。

(まだ分からなくて全然 Okay です)例えば FM7 のコードの次に FmM7 を入れて Fm7に持っていく。これってコードの 1音を半音づつ下げていく動きなんですが、これも各コードの構成音が何で、それが鍵盤上のどこに当たるのかすっと分からないと、曲を作ったりとか、Improvisation (アドリブ)をやるというのはしんどいですね。

以上ですが、納得感はありました? 今書いてみて自分としてはちょっと説得力に欠けるかなとおもっています。あとで書き足すかもしれません。

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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