01.5 役に立った本

私がコード理論をそこそこわかったのは、次の本などのおかげです。

✔️ 音楽学校での授業と学校のセオリーの教科書

通っていた音楽学校で1〜3年セオリー(授業の名前がセオリーだったのでここではセオリー)の授業を受けました。先生のお名前はご本人の了解を取っていないので言えませんが、大変お世話になりました。学校のセオリーの教科書は難しくて、多分いろんな Key に慣れさせようと ♯ や♭満載の Key で書かれていることも多く、あまり馴染めませんでした。私は未だに C (ハ長調) 以外の Key が苦手で、曲も基本 C で作っています。C 以外で作るのは、途中で転調部分を入れたとか、歌物で歌手の方に合う高さにするとかの場合だけです。あと、いつも C だとかっこ悪いなと思った時に少しミエを張るのに D (ニ長調) にしたりとか。

このサイトでまとまったコードセオリーを書こうと思い、久しぶりに教科書を見返して見ると、確かにちゃんと書かれているなと思い、このサイトを作りながら読み返していこうと思っています。

✔️ 「実践コード・ワーク理論編」篠田元一著 Rittor Music

多分もう売ってないかも。私が持っているのは2005年1月発行の第一版で、確かにそのぐらいの時に買ったなと思い出しました。しっかりまとまって書かれているコード理論書がなくて、御茶ノ水の楽器街まで行けばあるかもと足を伸ばして見つけました。お茶の水の駅を出て、駿河台下の交差点に向かう通り(今 Map で見たら明大通りというらしい)に楽器屋さんがたくさん集まっていますね。あそこの一軒で書いました。

ようやく見つけたとすごく嬉しくて、それから会社帰りの電車の中で読みました。タメになりました。ただ、読んでいるうちにだんだん置いていかれるようになり、読み返しては置いていかれて、結局最後までたどり着けませんでした。理論書としてはすごく良い本なんですが、当時の私の力では全部をわかるところまで及ばなかった。

✔️ 「コード理論大全」清水響著 Rittor Music

これは理論書を探したことのある方なら行き当たっていると思います。一時期大きな書店では、平積みにされていました。私の持っているのは 2018年4月発行の第一版で帰省した時にたまた帰省先の楽器店で見つけて買いました。私の知る限りという注釈付きですが、コード理論をここまで詳しく、しっかり、まとまって書けている本は他にないと思います。この本がすみからすみまでわかれば、コード理論を知っていると胸張って言えます。それをすごいと言ってくれる相手がいるかどうかはわかりませんが。

ただ、この本も今までコード表を見ながらギターをかき鳴らして来ただけという方がわかるかと言えばそうでもない。私も学校の確か3年目だったので、それまでの勉強の一応の積み上げというものがあり、最後まで理解できた。それがなかったら、また最後まで行けずに終わっていたと思います。

私がこのサイトを作ろうと思ったのも、このサイトでホップ、ステップと足を運んでもらい、最後にジャンプでこの本を全部理解してもらえばと思ったからです。

✔️ 「Jazz Theory Book」Mark Levine著 Sher Music Co.

これは結構分厚い Jazz の理論書です。私はアマゾンで英語版を買いました。日本語版より安かった。英語は平易で高校レベルの力で読めます。同じく Mark Levine で 「The Jazz Piano Book」というのがあり、まずこれを買ってみました。いろんな有名どころのフレーズ(Phrase、曲の一部分)がピアノ譜で出て来て、理解するためには、それをキーボードで弾いて感じる必要がありますが、キーボードも学校に入って始めたという私のレベルではとてもスラスラ弾けずに感じるどころではありませんでした。他のやり方としては、私の場合DAW (Digital Audio Workstation) ソフトの Logic Pro X (Appleの音楽制作ソフト)にピアノ譜を打ち込んでそれを聴くという方法がありますが、いっぱい出てくる譜面をいちいち打ち込むのは超面倒で挫折しました。

それで買ったのが Jazz Theory Book ですが、こちらもピアノ譜だらけで途中で挫折したままです。コード理論というよりはスケール (音階) 理論といった感じでコードの理論を勉強したいと言った方には不向きだと思います。自分が Playerで Improvisation (=アドリブ)の力をもっと広げたいという方に合っています。

まあ、半分ミエで買うとダメですね。ミエを張る相手もいないんですけど。

✔️ 「和声 理論と実習」I, II, III巻 音楽之友社

世間では「芸大和声」と言われる 3巻からなる和声学の本です。たくさんの多分クラシックの権威であろう偉い先生方による共著です。学校の 4年目に半年だけ和声学の授業をとりましたが、良くわからなかったので値段の高い本でしたが買いました。

和声学というのは、私の独断による解釈では、どの音を使って和音を作るのか、使った音をどう積み上げるのか、積み上げた和音をどうつないで行くのかという理論で、対象となるのはクラシック音楽です。

私は、生まれてこの方クラシックには何の興味もなく、現代風の 4和音と Tensionを使ったコードに比べ、3和音を使った簡単な音楽だと思って正直なところ半分バカにしていました。つまり、クラシックをベースにする和声学はクラシックの古典派 (モーツアルトやベートーベン)の古〜い理論で今の世の中では何の役にも立たない。

ただ、ポップス(クラシックではないという意味)を勉強する学校の先生がちょいちょいクラシックのことを話すので、あれクラシックも聞いてみないといけないかなと思って、N響(=NHK交響楽団)の定期コンサートとか行くようになり、そこであれだけたくさんの音が溶け合って聴こえるクラシックも良いなと思うようになりました。もっと言えば、3和音 (Triad) も結構良いじゃないかと。余談になりますが、今まで聴いた中では、N響が一番音が溶けて一体感が出ています。さすが N響。まあ、クラシック音楽観賞の初めの一歩ぐらいの私が言うのもおこがましいですが。

バカにしていた和声学が結構難しい。今年 (2020年)の初めから勉強を始めてほぼ一年経ちましたが、長時間を使っているわりに、まだ三巻の初めあたりです。運の悪い時のスゴロクのように、進んでは戻りの繰り返しです。「公理」というものがあり、この音は次はこの音にしか進めないとか、この音を出すためには前で同じ音が鳴っていないとダメだとか、これはやるなとか、なんだかんだと規則でがんじがらめになります。それをかい潜って和音の一つ一つをつないで行きます。

ここまで書いてくると、皆さん思うでしょう。「一体何のためになるの?」。実は私もそう思っています。ポップスのコード理論だけで良いじゃないかと。確かに和声学の説明の方が納得感があるなと思うところもいくつかありますが、全体では結構苦労して勉強した分と見合うのかなと思っています。

まあ、あと1年の内には三巻まで終わらせ、そこで見えるものがあるのか見てみたいと思ってます。やって良かった和声学になるかどうか。

ついでに言っておくと、和声学ともう一つ対位法というのがありますが、これがまた難しいものらしい。多分ここには一生さわれないのかなと思ってますが、和声学をやった結果、世界が広がって見えるようなことがあれば、さわるだけは触ってみようかなと思います(多分やらない)。

✔️ 「Songbook Bossa Nova」Volume 1〜5 Almir Chediak 著 Lumiar Editora

これは読んで字のごとしで Bossa Nova の曲集です。ポルトガル語です。サラリーマン時代、Rio de Janeiro に行った時に Bossa Nova の店で買いました。Bossa Nova の CD とか、本とかグッズとか Bossa Nova にまつわる物が置いてある店で、Copacabana からちょっと入ったところにありました。

こんなの日本では手に入らないと思いましたが、一応今アマゾンで検索してみたらありました。一冊 23,000円で売られてます。全部で5冊なので全部で 10万円以上。ビエ〜〜。私が買った時、ブラジルの通貨のレアルがすごく強い時で、5冊で確か 15,000円ほどしてめちゃくちゃ高いと思いましたが、それが今日本では 10万円以上。そこまで価値がある本だとは思いません。

脱線をもどすと、この本は作曲者が付けたコードが正確に書かれていることを売りにしている本で、確かにそうだろうなと感じます。Bossa Nova のコード使いは Jazz ほどではありませんが、Tension 満載になるので、実際どのコードを当て、どの Tension を使い、どのコードにつなげていくのかの参考になります。Tension については追々書いて行きますが、9th, 11th, 13th を Tension Note、Tension Note が入ったコードを Tension Chord と言います。

ちなみに、Apple Music のブラジル Top 100 をみても上位に Bossa Nova が入ることは絶対にありません。Bossa Nova 好きは今や日本とフランスではないでしょうか。では、ブラジル人は Bossa Nova を捨ててしまったのか? そうではないと思います。António Carlos Jobim (あの有名なイパネマの娘を作った)は没後リオの国際空港の名前になっています。Jobimが作った Samba de Avião (ジェット機のサンバ)は当時 Galeão という名前のリオ国際空港に降りていく様を曲にしたものですが、今や自分の名前の空港になっています。面白いですね。また脱線しました。

✔️ 「音律と音階の科学」小方厚著 Blue Backs

皆さんは何で鍵盤がああいう白と黒の配列になっているのか疑問に思ったことはありませんか? また、何で音高 (=Pitch) は無限にあるのに、ドはいくつの周波数、レはいくつの周波数と特定の周波数になっているのか知っていますか? この本は曲を作るとか演奏するとかいう段階以前の音楽で使う音について解説をしています。

私は本を買いましたが、今見たら iBook (Apple の電子書籍)でも売っていますね。

「そんなのコードとは関係ないだろ」。いや、そうとは言い切れません。例えば、和声学でもコード理論でもドミソの和音 (=C Major) を鳴らした場合、省略できるのはソと決まっています。なぜソなのか。それを聴いた感じではなく理論としてわかるにはドレミがどうやって作られたかわかっておくべきです。

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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