13.3 Harmonic minor と Melodic minor の Chord Scale

Harmonic minor の Chord Scale は G7 しかやりません。他は使いませんから。Melodic minor は全部書きます。

✔️ Hm  の G7 = Phrygian ♯3

Phrygian ♯3。ヘンテコなものが出てきました。Chord Scale の名前です。私の行っていた学校は Phrygian ♯3 と呼んでいました。書くときは Ph♯3。なぜこう呼ぶかと言うと、G Phrygian の3番目の音が半音上がっているからです。G Phrygian は下のとおりです。

押さえておかないといけないのは、♯3 とか出てきたときにどれと比べて ♯3 なのかと言う点です。Phrygian の ♯3 とでてきたら、Phrygian と比べて ♯3 になっていると言うことです。Chord Scale の名前はその Scale が一番似ている Chord Scale の名前を持ってきてそれに ♯3 のように違いを入れると言うやり方をとっています。「当たり前すぎる話」。

そうなんですが、Scale はたくさんあるので、この手の話は、基準の Scale がどこにあるのか押さえておかないと混乱します。例を出すと返って話がややこしくなるので出しませんが、Major Scale との比較で言う場合もあるので気を付けないといけないです。

コード理論大全は Phrygian ♯3 とは言わずに、Mixolydian ♭9, ♭13 と言っています。どっちが適切な呼び方か? 私は Mixo ♭9, ♭13 を支持します。これ G7 でしか出てこない Chord Scale。 Major Key の G7 の Chord Scale は Mixo なので、Mixo とまず言った方が G7 と感覚的に結びつきやすい。G7 なのに何で Phrygian が出てくるのかと言う疑問は持たれません。ただ、♭9, ♭13 と 2つも違いを入れないといけない。ここは面倒臭い。Mixo ♭9, ♭13 を支持するんですが、このサイトでは学校に敬意を表して Ph♯3 と呼びます。

Harmonic minor の G7 の Chord Scale をやっていますが、Hm で曲を作ることはありません。ここの G7 は Natural minor Scale と Major Scale への Modal Interchange で使われます。

✔️ Mm  の CmM7 = Melodic minor

この Chord Scale の名前は Melodic minor です。当たり前と言ったら当たり前です。そのまんまです。Major 系で使える 9th と 13th が minor 系で使える 11th と共存してます。Avoid Note はありません。

✔️ Mm  の Dm7 = Dorian ♭2

D Dorian は D音から始まり全て白鍵です。第二音だけ♭が付いているので Dorian ♭2。

✔️ Mm  の E♭+M7 = Lydian ♯5

この Chord Scale が面白いのは Root から始まって +5th まですべて全音です。

✔️ Mm  の F7 = Lydian ♭7

10.6 Modal Interchange Chord その 2」でも書きましたが、この Chord Scale は G7 の Chord Scale として C Major Key で使えます。言い方を変えると、C Major Key は Lydian ♭7 と言う Chord Scale を G7 のそれとして借用できます。ここがわからない。Phrygian ♯3 なら、Hm の5番目の Chord を Major Scale・Natural minor Scale の5番目が借用することで辻褄は合うと思うんですが、何で4番目の Chord Scale を Major Scale の5番目として借用できるのかがわからない。そんなことにこだわる必要はないと言われればそれまでなんですが、Major Scale の Mixo は ♯11th が使えないので、♯11th が使える Chord Scale はないかと探してみたら Mm の4番目がそうだったと言う風情に見えます。

✔️ Mm  の G7 = Mixolydian ♭13

Chord Scale の全半が Major Scale で後半になると Natural minor Scale と言う感じ。Mm と逆パターン。この Chord Scale を Modal Interchange (借用) で使うと言う話を聞きません。他借用で充分と言うことなんでしょう。

✔️ Mm  の Am7 (♭5) = Locrian ♯2

Avoid Note がありません。9th, 11th, ♭13th すべて取れる Tension です。Mm と言うのは Chord Scale の全半が Natural minor Scale で後半が Major Scale になるので、Natural Tension と Altered Tension が入り混じります。Locrian ♯2 は私のいた学校の言い方。コード理論大全は Aeolian ♭5 です。

✔️ Mm  の Bm7 (♭5) = Altered

Altered です。F7 の Lydian ♭7 と同じパターン。何で7番目の Chord Scale が Major Scale と Natural minor Scale の5番目として借用できるのか? わかりませんが、これ以上ごちゃごちゃ書きません。

ところで上の五線譜おかしくありません? ♭11th が出てきます。こんな Tension Note はないですよね。♭11th は 3rd と同じです。なのでこれを 3rd に書き換えます。すると m3rd は ♯9th に名前を変えて Tension になります。m3rd = ♯9th です。♭5th も Tension になり ♯11th に名前を変えます。

こうしてできたのが Altered と言う Chord Scale です。Super Locrian とも言いますが、少なくとも日本では Altered が普通だと思います。なぜ Altered と言うのか? 簡単ですよね。すべての Altered Tension を含むからです。その代わりに 5th が消えてしまいました。Scale には全部で 7音ありそのうち Tension で 4音を使ってしまったので、残りは 3音。5th がはじかれてしまいました。

G Altered Scale を見て下さい。

G で書くと雰囲気でるでしょう。♯・♭が Tension の呼び名と合っています。

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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