18.4 メロが Chord Tone の Voicing

18.2 Closed Voicing と Open Voicing」でメロが Chord Tone の場合の Voicing について書きましたが、実は全部ではありません。その残りをこのページで書きます。

メロが Chord Tone なら他の Chord Tone を足すだけなので簡単ですねと書きました。Chord Tone だけで良い場合はその通りなんですが、Tension Note を入れたい場合があります。メロは Chord Tone ですが、下に積むコードに Tension Note を入れたいと言う場合。

まずやり方を書いてしまいます。

  • メロ以外の 3声を Chord Tone で埋める。
  • メロ以外に Root があったらRoot を消して代わりに 9th を入れる。
  • メロ以外に 5th があったら5th を消して代わりに 13th を入れる。

これじゃわからないですよね。メロが Chord Tone で下に積んだ音も Chord Tone だったら、そこで鳴る音は全部 Chord Tone になります(当たり前ですが)。これで鳴らしても全く問題はないんですが、曲調によっては Tension を入れたいと言う場合があります。その場合 Tension に代わられてしまうのが Root と 5th になります。ここで Tension と言っているのは、そのコードが取れる Tension のことです。

「5th が省略できるのはわかるが、Root を外してしまうの?」私なりの解釈は、ベースが下で Root を鳴らしているから or ピアノの左手が Root を鳴らしているから。

Root が代わられるのが 9th です。9th は Root のすぐ上にあるからです。5th が代わられるのが 13th です。同じ理由です。

CM7 と G7 の場合の積み方です。CM7 はメロを B音、G7 はメロを F音にしています。4WCL ですが、Drop 2 にするなら 2nd Voice を Octave 下げれば良いだけです。

聴いてみて下さい。ピアノの下の方で Root を鳴らしています。G7 は五線譜より Octave 下を弾いています。

いくつか注釈があります。

✔️ G7(♯9) を見て下さい。カッコ書きにしてあります。♯9thは学校の 1年目時点では「今のところ使わない」と教わりました。♯9th は理論上は使えるけど使い方が難しいのでまだ使わないでねと言う意味です。ただ、今聴いて見るとおかしくは聴こえません。

✔️ G7(♯11) もカッコ書き。11th・♯11th は「今のところは使わない」でした。11th に取って代わられるとすれば 3rd になりますが、3rd はコードの性格を決める大切な音なのでこれに手をつけるのはまだ早いと言うことだと思いました。11th・♯11th の場合その上の 5th に取って代わるパターンもあるようです。Altered Scale は 5th がなく、Root から数えて 5番目の音は ♯11th。正に 5th が ♯11th に代わられている。同じイメージで良いと思います。上の五線譜には 5th ⇨ ♯11th を入れてみましたが、おかしくないですね。

✔️ G7(♭13) はありますが、G7(13) はありません。Chord Tone を Tension に代えた結果、メロと Tension が半音でぶつかるのはダメです。

✔️ G7(♭9,♭13) は Tension 2つです。Tension 2つまでは Voicing として Okay です。

長年サラリーマンで現在プロ作曲家志望です。

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